ストーリー微妙・バランスいまいち・システム悪い/「ポケモン不思議のダンジョン 青の救助隊」

 

ポケモン不思議のダンジョン 青の救助隊

ポケモン不思議のダンジョン 青の救助隊

 

 「ポケモン不思議のダンジョン 時の探検隊」が小さいときから大好きなので、せっかくだしシリーズ全部やってみるかと思ってまずは「青の救助隊」をプレイ……したはいいんだけどいまいち。

まず、一番期待していたストーリーが微妙だった。説明不足はもちろんあるし、「探検隊」のような圧倒的なストーリーの練り込みもない。行き当たりばったりで受動的にストーリーが進んでいっちゃう感が強い。キャラクターも、「探検隊」のギルドのように密接に関わりがあるわけでもないので、いまいち愛着がわかない。10時間で終わってしまうぐらい短いのも理由の一つかもしれない。

バランスは、途中まではそこそこの難易度かなあと思っていたんだけど、メロメロの異様な強さに気づいてから一気にヌルゲーと化した(まあこれは自重という手段があるけれど)。システムは、ダンジョンから戻ってくるたびにいちいち仲間がパーティから外れるのがとにかくストレスフル。

 

トーリーが気になる人以外はやる意味ないと思います。ポケダンに興味がある人は「探検隊」をやりましょう。

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これぞ「新しい歴史」! 資料調査が覆す荻原重秀の実像/村井淳志『勘定奉行荻原重秀の生涯』

 

勘定奉行荻原重秀の生涯―新井白石が嫉妬した天才経済官僚 (集英社新書)

勘定奉行荻原重秀の生涯―新井白石が嫉妬した天才経済官僚 (集英社新書)

 

 はい、圧倒的に面白いです。綿密な資料読解に基づいてそれまでの荻原重秀像をひっくり返し、さらにとても面白くかつ理屈の通った陰謀論まで提示してしまった凄まじい本。新しい歴史とか正しい歴史とかおっしゃっている人は、もっとこーゆー本読んだほうがいいと思う。

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体感性の高い新感覚重力アクションゲーム/「GRAVITY DAZE」

 

 こりゃすげえ。ボタン操作とモーションセンサーが組み合わさって、独特な重力アクションを体感できる。ストーリーは投げっぱなしだけどアクション性だけでもおすすめできます。

 

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面白かったマンガ(2017/6)

6月に読んで面白かったマンガのまとめ。

 

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面白かった本(2017/6)

6月に読んで面白かった本のまとめ。

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これ『ロリータ』?/谷崎由依『囚われの島』

 

囚われの島

囚われの島

 

 1章を読み進めているときのワクワク感はすさまじい。幻想文学に蚕を中心としたさまざまなイメージを重ねて重層的にし、フェミニズムや進化論っぽい話まで入り混じってくる。単にどれもぼくが好きなテーマだから、というのもあるけれども、それでもそれだけのテーマを違和感なくまとめられるのはすごいはず。2章の民話パートは多少間延びしている気がしないでもないけど、民話的な語りも上手なので悪くない。

だからこそ、3章で話をまとめず、むしろ発散させたのは大変残念。1章や2章では幻想文学っぽい話になりつつも、かなり抑制のきいた調子で客観的な描写を貫いていたのに、3章になると半分くらいがふわふわとした主観描写になってしまって、たいへん話がぼやける。もう半分は客観的な描写ではあるけれども、その一方で優性遺伝子と劣性遺伝子が逆転するだとか、なーんかまぬけな話ばっか。だいたい、「私」が生殖なしに広がっていくのがテーマなら、主人公の由良が盲目になる一方で盲目だった徳田の目が見えるようになるというのは不要なのでは?

うーんけっこう面白かったんだけど、終盤のグダグダ感はいまいちなので残念……。

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SF的な日本で円満に暮らすっていうこと/円城塔、田辺青蛙『読書で離婚を考えた。』

 

読書で離婚を考えた。

読書で離婚を考えた。

 

 小説生成エイリアンこと円城塔とホラー小説家の田辺青蛙の夫婦が、お互いに本を勧め合うというかたちでコミュニケーションを取ろうとするファーストコンタクトSF。しかしコミュニケーションはあまりうまくいかず、円城はダイエットを始めるわ田辺は離婚をする夢を見るわでどんどん収集がつかなくなり、最終的には相互理解をほとんど諦め、でも夫婦をやっていこうという投げっぱなしエンド。

また、そもそも設定に難があり、円城と田辺が遠距離恋愛で付き合い始めるも数ヶ月で結婚し、しばらく東京と京都で別居婚をしていただとか、碇シンジのセリフと円城塔という名前をかけて、結婚式では円城が碇ゲンドウのコスプレをして田辺が碇シンジのコスプレをしただとか、荒唐無稽になってしまっているのは残念なところ。それから、そもそもなんで読書でコミュニケーションを取らなければいけないのかというツッコミもある。普通ファーストコンタクトSFでのコミュニケーションといえば素数を始めとする数学が出発点なんだけれども、この本だと逆に円城が木村俊一『連分数のふしぎ』を勧めていて、「おお、実は田辺がエイリアンだという叙述トリックだったのか!」とか思ったり。

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