図書館と電撃文庫

 

要約

図書館の本は基本的に透明なブックカバーが貼られていて、本自体のカバーは取り外せないようになっている。そのことを利用して、カバー裏やカバー下にコンテンツを載せることによって、図書館や電子書籍などで読むのではなく、紙の本を買って読むインセンティブが発生するかもしれない。

 

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肩透かし/野崎まど『ファンタジスタドール イヴ』

 

 野崎まどだからと期待してみたはいいものの、盛大に肩透かしを食らったと言わざるを得ない。いつもの野崎まどのようなぶっ飛びっぷりはないし(メディアミックスだからしょうがないのかもしれないけど)、野崎まどファンだからといって読む必要はないと思う。もちろん面白いか面白くないかでいえば面白いの部類に入れられる程度のクオリティは保ってるんだけど、わざわざこのためにアニメ見るのは……。

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百合マシマシ文学少なめ/「バーナード嬢曰く。」

 

バーナード嬢曰く。 [Blu-ray]

バーナード嬢曰く。 [Blu-ray]

 

 さすがにアニメ化ということで、原作に比べて文学成分は少なめ。とくに後半は、ド嬢の元々の魅力はほぼ失われてるといっていい。あと、町田さわ子(喜多村英梨)×神林しおり(小松未可子)の百合がいつのまにかマシマシになっており、キャラデザもやたら可愛らしくなっちゃったのが気になる。神林は原作の雰囲気をうまく残しつつ美化できてると思うけど、さわ子は誰こいつ状態。

その一方で、やたら描写が簡素な原作(婉曲的表現)をそのままアニメにするわけにもいかないので、細かい描写がかなり増えている(古本屋回で神林がバラード買ってるとか、喫茶店回で神林が『カラマーゾフの妹』読んでるとか)。そういう手段で、失われた文学成分が多少補われてるのは救い。あとそもそも、第1話で若島正柳下毅一郎をdisるアニメなんてこれ以外まず存在しないわけで、まあそういう意味でも貴重なアニメ……なのか?

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鋭い論考なのにデザインのせいで台無し/さやわか『僕たちのゲーム史』

 

僕たちのゲーム史 (星海社新書)

僕たちのゲーム史 (星海社新書)

 

 いい論考だと思った。ゲームの歴史を通史的に辿れているとはいえないのが残念な一方で、個別の論考はかなり鋭くて出来がいい。現代人の目からではなく、なるべく当時の人の目線で見る、という観点を、個人の記憶ではなく文献調査で補強しているのもえらい。

……っていうふうに褒めたいんだけどねー。デザインで台無し。ゴミクズのような書式のせいで異様に読みづらいし、さやわかが頑張ってそうならないようにしていたはずの、懐古趣味まみれのデザインにもなっている。これではせっかく頑張って書いたさやわかが可哀想なのでは?

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『私モテ』って今とんでもないことになってるのねー/谷川ニコ『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(1~10)』

 

『私モテ』がアニメ化したときぐらいに(2013年の夏)、原作の最初の方を読んだことがある。あまりおもしろくなかった。実際、少なくとも2013年時点では、このマンガはたいしたものではなかったと思う。

でも……最近、「『私モテ』が変な方向に転がってきている」みたいな、変な話を聞いた。ちょっと興味が湧いたのでいまさらながら読んでみたら……『私モテ』って今とんでもないことになってるのねー。

 

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