みんな結構いい回線使ってるのねー/「スプラトゥーン2」

Splatoon 2 (スプラトゥーン2)

Splatoon 2 (スプラトゥーン2)

 

 前作をプレイしたことはなかったんだけど、実況動画などで見ていてすごく面白そうだったので、わざわざニンテンドースイッチまで買って、こちらも購入しました。で、やろうと思ったんだけど……。

なんと、我が家の回線がショボすぎてオンライン対戦ができない!!! で、1人プレイできるヒーローモードをとりあえずプレイしてみたんだけど、これが全然面白くない。というわけで残念なことに、我が家のニンテンドースイッチはでかい箱と化したのであった……。

 

というのが1ヶ月前のお話。その後、我が家のネット回線自体が絶不調になってしまったので、臨時でポケットWi-Fiを借りたのだけど、そうしたらオンライン対戦ができるように!

で、そうなってから、暇な時間はずっと「スプラトゥーン2」漬けの毎日。いやーだって楽しいもん。休みの日は平気で10時間とかやってしまう。そりゃあブログの更新も滞りますよ。

 

ところで、このゲームは子供人気もすごいのだけど、それにもかかわらず、ぼくみたいに家のネット回線が貧弱すぎてオンライン対戦ができない、という話はそこまで聞かないように思う。でも、子供が自分の家のネット回線の契約をどうこうできるはずもないので、多分世の中の多くの家のネット回線は、「スプラトゥーン2」のオンライン対戦をできる程度にはまともな回線なのだろう。

ぼく的には、これがかなり意外に思えた。いやーみんな結構いい回線使ってるのね(うらやましいわぁ)。

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なんで江野くんこんなことやってるの?/白石晃士「殺人ワークショップ」

殺人ワークショップ [DVD]

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 「コワすぎ!」を一気に見て大変面白かったのでこちらも見てみた。わりとおもしろいね―。題名にもなっている「ワークショップ」があんまり活きておらず、単なる集団殺人計画っぽくなっているのは残念な一方、軽い気持ちで殺人衝動を持った主人公たちがどんどんサイコになっていく過程はなかなかよい。また、クズに定評のある白石晃士は健在で、DV彼氏やバイト仲間をいじめていたチンピラ2人組なんかはすさまじいリアリティ。

ENBUゼミナールという学校の映像俳優コースの学生の作った卒業作品が元になっているらしく、出ている俳優も多くが素人だったため、演技の腕の差にばらつきがあったのは気になる。主人公であるモリアキコ(木内彬子)はわりと、被DV女からのサイコみたいな雰囲気が出ていてよかったのだけど、自称猟奇趣味のユウマ(杉木悠真)とかはダメダメだったのは残念。

 

ところで「オカルト」で概念となった江野祥平(宇野祥平)は、なんでこんなことをやってるのかしら? 「戦慄怪奇ファイル コワすぎ!最終章」では、白石晃士(=田代)を助けるという目的が見え隠れしていたから、江野くんが出たのもそれなりに納得できるのだけど、こちらはあまり納得できず。冒頭およびラストで江野くんが渋谷のスクランブル交差点を歩いているシーンを見る限り、確実に「オカルト」と関連はあるはずなのだけれど……結局よくわからん。

社会勉強は楽しくやらなきゃ/スパーロック「スーパーサイズ・ミー」

スーパーサイズ・ミー [DVD]

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 超有名なアメリカのドキュメンタリー、なんだけど、今更初めて見ました。アメリカのファーストフードの悪影響という視点から健康問題を指摘するだけではなく、新自由主義や貧困問題など、アメリカ社会自体に対する批判も成立させているのは立派。ただ、検証としては不十分な点も多いのは残念。また、この映画が撮影された2004年からは結構時間が経っており、この中で言われている「科学的な栄養学」も更新されていることにも注意が必要(肉一般や油一般の健康に対する悪影響は昔言われていたほど大きくない、とか)。

が、この映画の魅力はそんなところにはない。この映画のすばらしいところは、最初から最後まで、膨大な量のブラックジョークを盛り込んでいることだ。そのため、普通であればくらーくなりがちなドキュメンタリー映画というジャンルの中で、例外的に笑いながら見ることができる映画になっていると思う。別に社会勉強なんて、真面目な顔してやる必要は必ずしもなくて、楽しくできるのなら楽しくやるに越したことはないのだ。

オムニバスの必要性が全く感じられない/「ドラゴンクエストⅣ 導かれし者たち」

アルティメット ヒッツ ドラゴンクエストIV 導かれし者たち

アルティメット ヒッツ ドラゴンクエストIV 導かれし者たち

 

 まずはシステム・バランス面から。大きく不満なのは、DSなのにタッチスクリーンが使えないこと。せめて戦闘中だけでもタッチスクリーンが使えれば、戦闘中のストレスが大分軽減されるように思うんだが。戦闘中だけ指でタッチするシステムなんてポケモンシリーズでも随分昔から取り入れられていただろうに。また、比較的レベル上げが必要になる場面が多かったようにも感じた。直前にプレイしたRPG「クロノ・トリガー」だったので、余計にそう感じることが多かっただけなのかもしれないけれど。

とはいえ、それらが極端にプレイの邪魔をしているわけではない。ちょっとした不満はあるけれども許せるレベルではある。

 

問題なのは、シリーズ最大の特徴ともいえるオムニバス風のストーリーが、全く活きていない点だ。このゲームは1~5章まであるが、そのうち1~4章にはシリーズ恒例の勇者が出てこない。そのかわりに、それぞれの章で別々のキャラクターが主人公の役割を果たしており、5章の主人公である勇者が1~4章の主人公たちを集めて魔王を倒す、というのが「ドラクエ4」のストーリーだ。

……が、これが面白いかと言われると疑問符がつく。1~4章のうち、1章と3、4章は、いつものドラクエとあまり違わない。大体が、王様の命令を受ける→町で情報収集をする→悪者を退治する→終わり、という流れ。一応ハッピーエンドかバッドエンドかでちょっとした差別化は図られているけど、「それをわざわざ独立した章にして、わざわざオムニバス形式にする」必要があったかと言われると疑問。唯一3章だけは、いつものドラクエとは違ってお金を稼ぐことが目的になっているので、ちょっと珍しさは感じる。しかし、お金をひたすら集めるというのもそれはそれであまり面白くないので、結局いまいち。

さらに、このオムニバス形式には、ドラクエシリーズ特有の問題が存在する。それは、「ドラクエの主人公は喋らない」という問題だ。歴代のドラクエと同様、ドラクエ4でも主人公は喋らない。これがどういう問題を生じさせるかというと、1~4章でも主人公は喋らない(一応会話システムを使えば多少は喋るんだけど)ので、その分だけキャラクターの個性が感じにくくなるのだ。たとえばFFシリーズでオムニバス形式を採用したとすれば、それなりに面白いストーリーになっただろう。なぜならFFシリーズでは主人公も喋るから。でも、主人公が喋らないドラクエシリーズは、オムニバスという形式と致命的に相性が悪かったように思う。

 

 もちろん、いつものドラクエシリーズの面白さは健在だ。でも、たとえば親子三代の「ドラクエ5」や表と裏の世界を行ったり来たりする「ドラクエ6」と比べても面白いか、といわれると疑問。

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化けの皮まで爆破しないでもいいのに/中島哲也「告白」

 

告白

告白

 

 情報の提示の仕方がかなり上手で、驚きが最大限に産まれるように、情報を観客に伝えるタイミングを上手く調整している。なので、裏切りこそが物語の楽しさだと思っている人にとってはとても楽しめる映画なのではないか。

でも、いくら構成が優れていても、中身がなければダメなのだ。「驚きが最大限に産まれるように」と書いたけど、中身がショボいので、最大限にしても「ああそうなの」程度にしかならない。特に細かいご都合主義が随所で見え隠れしており(森口の恋人が都合よくHIVであるだとか、渡辺(西井幸人)が命の大切さを語る作文コンクールで代表に選ばれたりだとか)、演技や構成で惹きつけられてもすぐに現実に戻されてしまう悲しさ。

で、そういうショボい中身をなんとか取り繕うと、演出にもかなり力を入れているんだけど空回り。とくにひどいのがラストの爆破の逆再生シーンで、化けの皮もろとも爆破してしまう。あそこで一気に冷めた人も多いのでは。

 

ただまあ、役者が結構魅力的なので見れてしまうといえば見れてしまう。開始から30分の延々と続く森口(松たか子)の語りはとてもよい。この冒頭30分は、松たか子の語りで観客を惹きつけつつ必要な情報を詰め込んでるという意味でも完成度が高い。ウェルテル(岡田将生)のダメ教師っぷりも、絶妙な容姿と演技で見事に表現されているし、北村(橋本愛)もめちゃかわいい。

なんかいろいろと惜しい映画な分、余計に残念なような……。