各ガジェットの仕組みがかなりわかりづらい。「あかずの間」とか黒い染みとか自殺とか幽霊とか。黒い染みは無で、死は永遠の孤独、のような感じっぽいんだけど、各登場人物がその二択のどちらで消えていくのか、そしてそれはどうしてその選択なのか、みたいなことも考えると全くわからなくなる。
が、なんとなーく抽象的にはわかる気がする。孤独とか無に対する絶望感と、人とつながるっていうことの素晴らしさ。人がどんどんいなくなり、ビルが燃え飛行機が墜落する終末的な状況の中で、主人公のひとり(麻生久美子)となんかよくわからんおっさん(役所広司)はブラジルを目指す。なんでブラジル目指すのかもよくわからんけど(小説版を読めばわかるらしい)、まあ人間に対する信頼っぷりとかいいんじゃないんですかねえ。
そういう抽象的なわかりやすさと具体的なわかりづらさが組み合わさって、一層不思議な感じにはなってると思う。ホラーとしても満足。
あと加藤晴彦かわいくないですか? バカ大学生っぷりが板についててとてもかわいかったと思う。