面白かった本(2016/8)

8月読んで面白かった本のまとめ。

 

山本昭宏『核と日本人』(中公新書
核と日本人 - ヒロシマ・ゴジラ・フクシマ (中公新書)

核と日本人 - ヒロシマ・ゴジラ・フクシマ (中公新書)

 

  原発・原爆のイメージのはなし。お偉い先生は小説とか映画とかばかりに注目してしまいがちなので、マンガとかまでに射程を広げたのは重要。

 

小島寛之『数学入門』(ちくま新書
数学入門 (ちくま新書)

数学入門 (ちくま新書)

 

   中学~大学の初歩の初歩あたりまでを、指導要領の体系から離れて解説。簡単な説明をするするとしているうちに微積とか無限とかにさらっとたどり着かせるのがうまい。

 

筒井康隆文学部唯野教授』(岩波現代文庫
文学部唯野教授 (岩波現代文庫―文芸)

文学部唯野教授 (岩波現代文庫―文芸)

 

  ドタバタ芸と文学理論解説の合わせ技。文学理論特有の不毛さをうまく作品として昇華している。

 

大田俊寛『現代オカルトの根源』(ちくま新書
現代オカルトの根源 (ちくま新書)

現代オカルトの根源 (ちくま新書)

 

  オカルトとか進化とか。ここに書いたとおり。

 

早坂吝『虹の歯ブラシ』(講談社ノベルス
虹の歯ブラシ 上木らいち発散 (講談社ノベルス)

虹の歯ブラシ 上木らいち発散 (講談社ノベルス)

 

 超問題作ミステリー。詳しくはここ

 

レヴィット、ダブナー『ヤバい経済学』(東洋経済新報社
ヤバい経済学 [増補改訂版]

ヤバい経済学 [増補改訂版]

 

 ヤバイ。経済ヤバイ。まじでヤバイよ、マジヤバイ。

 

下條信輔『〈意識〉とは何だろうか』(講談社現代新書) 

 錯視や視覚の順応を出発点に、人間の意識とは何か? という疑問を突っつき回して収拾のつかない状態にしてしまった本。扱ってる範囲の広さに驚く。

 

ヴェルメシュ『帰ってきたヒトラー』(河出文庫
帰ってきたヒトラー 上 (河出文庫 ウ 7-1)

帰ってきたヒトラー 上 (河出文庫 ウ 7-1)

 

 

帰ってきたヒトラー 下 (河出文庫)

帰ってきたヒトラー 下 (河出文庫)

 

ヒトラーのセリフが(内容的にもそうだが、それ以上に文体的に)ヒトラーっぽく、完成度の高さに唸らされる。原文がいいのか翻訳がいいのかはよくわからないけど。

 

谷岡一郎『「社会調査」のウソ』(文春新書)
「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ (文春新書)

「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ (文春新書)

 

 著者の口の悪さにも驚かされるが、そんな悪口を言われるような「ゴミ」にはよりいっそううんざりさせられる。社会調査をする際に発生するバイアスをまとめた一覧表や、リサーチ・リテラシーを判定するクイズなど、実用性も高い。

 

祖父江孝男『文化人類学入門 増補改訂版』(中公新書
文化人類学入門 (中公新書 (560))

文化人類学入門 (中公新書 (560))

 

入門書として傑作。ここ

 

稲葉振一郎『増補 経済学という教養』(ちくま文庫
経済学という教養 (ちくま文庫)

経済学という教養 (ちくま文庫)

 

 今でも使える、左翼・人文系の人のための経済実用書。ここ

 

 斎藤美奈子『学校が教えないほんとうの政治の話』(ちくまプリマー新書

 変な本。あとで書評書きます。(9/3追記:かきました。