面白かった本(2017/2)

2月に読んで面白かった本のまとめ。

※1月はマンガばかり読んでて本を全然読んでなかったので、先月分はなしです。

 

 稲葉振一郎『宇宙倫理学入門』(ナカニシヤ出版)
宇宙倫理学入門

宇宙倫理学入門

 

 「有人宇宙飛行は正当化できるか?」というわりと無理難題な問いに、人間の定義を拡張させる方向で答えたアクロバットな本。とはいっても論は稲葉の広い知識に裏打ちされており、読んでいるうちは緻密な議論っぽく見えるのが面白いところ。

 

ソーカル、ブリクモン 『「知」の欺瞞』(岩波現代文庫
「知」の欺瞞――ポストモダン思想における科学の濫用 (岩波現代文庫)

「知」の欺瞞――ポストモダン思想における科学の濫用 (岩波現代文庫)

 

 古典的名著。ようやく読みました。

やっぱりポスト真実とかみたいな話の出発点って実はポモなんじゃないか? と再認識。左翼のポモ的な極端な相対主義に対するカウンターとして、その極端な相対主義をそのまま援用してオルタナ右翼とかネトウヨ的な差別言説を正当化するということはありそうではある。

 

前田司郎『恋愛の解体と北区の滅亡』(講談社
恋愛の解体と北区の滅亡

恋愛の解体と北区の滅亡

 

 自然主義文学にSFを持ち込んだ傑作小説。詳細はここ

 

木下古栗『生成不純文学』(集英社
生成不純文学

生成不純文学

 

 木下古栗の最新刊で、粒ぞろいなのでおすすめ。ここ