4月に読んで面白かった本のまとめ。
早坂吝『双蛇密室』(講談社ノベルス)
弊ブログではお馴染みの早坂吝による、アイデア一発勝負。詳細はここ。
佐々木敦『ニッポンの文学』(講談社現代新書)
まあ、本当に最近までの作家を扱ってくれる文学史本って全然ないので、「現代文学史」のパイロット版としては悪くはないんじゃないかなと思う。ゼロ年代SFでいわゆるリアル・フィクションに全く触れていないあたり、明らかに信憑性はないけど、まあこういうのの積み重ねでちゃんとした文学史が出来上がるわけですし……。
内井惣七『ダーウィンの思想』(岩波新書)
ダーウィンを哲学思想として捉える本。プラグマティズムとかと関連して道徳感情をミームみたいなものとして捉えるとか、ダーウィン論としては新鮮。ただ、ダーウィニズムの解説としては簡素もいいとこで、「進化論わかりませーん!」っていう人が読むべき本じゃないと思う。
関口安義『芥川龍之介』(岩波新書)
芥川龍之介の伝記的な記述が新書一冊にコンパクトにまとまってる。当時の文壇の反応を拾ってて、同時代の目線から見た芥川を知る上でも便利。まあ活かすも殺すも読者次第ってことで。
戸田山和久『哲学入門』(ちくま新書)
大山旬『おしゃれが苦手でもセンスよく見せる 最強の「服選び」』(大和書房)
ぼくはファッションというものがまったくわからないのだけれど、その一方で、ファッションというものがその人間の能力を多少は保証する、ということを最近ひしひしと感じるようになってきた。そういう人間にとって、「無難な服を効率よく着る」ことを勧め、そのサポートをしてくれるこの本は大変貴重だと思う。
河田雅圭『はじめての進化論』(講談社現代新書)
90年に書かれた本とは思えない、立派な進化論の入門書。あと、海外の作家・研究者はあんまり言及してくれない木村資生・今西錦司の問題点もしっかり批判していて、その点でもありがたい。ちなみにpdfで無料で読めます。