面白かった本(2017/6)

6月に読んで面白かった本のまとめ。

 

 大澤めぐみ『ひとくいマンイーター』(角川スニーカー文庫
ひとくいマンイーター (角川スニーカー文庫)

ひとくいマンイーター (角川スニーカー文庫)

 

 ええええええええええええええええええええ、『おにぎりスタッバー』のあの文体って、意識的に作ったものなの!?!?!? てっきりあの文体がネイティブなんだと思いこんでいたので衝撃。

で、その文体を取っ払って、まともな文体とかなりミステリ風味の強いストーリーを成立させているんだけれども、前作の衝撃は越せないかな。それでもそれなりに面白いとは思う。

 

 飛浩隆『象られた力』(ハヤカワ文庫JA
象られた力 kaleidscape (ハヤカワ文庫 JA)

象られた力 kaleidscape (ハヤカワ文庫 JA)

 

 五感のイメージがすばらしい短編集。表題作と「デュオ」が好み。

 

 岡本裕一朗『いま世界の哲学者が考えていること』(ダイヤモンド社
いま世界の哲学者が考えていること

いま世界の哲学者が考えていること

 

 ポストモダン以降の哲学の手際の良い紹介。詳細はここ

 

清水亮『実践としてのプログラミング講座』(中公新書ラクレ
実践としてのプログラミング講座 (中公新書ラクレ)
 

 この本の実質的な前作である『教養としてのプログラミング講座』思想書としてとても素晴らしかったので褒めたけど、この本は思想書としての側面が薄れ、かといって実践にしては発展性がないので微妙。それでも、日常のさまざまな問題をプログラミングで解決していく様子が描かれるのは、それなりに希望が持てる。

 

網谷祐一『理性の起源』(河出ブックス)
理性の起源: 賢すぎる、愚かすぎる、それが人間だ (河出ブックス 101)

理性の起源: 賢すぎる、愚かすぎる、それが人間だ (河出ブックス 101)

 

ここ。かなりきつめに批判したけど、でも悪い本じゃないです。

 

北田暁大ほか『現代ニッポン論壇事情』(イースト新書)

 反緊縮の立場からリベラルの言説を分析した本。ここ

 

円城塔田辺青蛙『読書で離婚を考えた。』(幻冬舎
読書で離婚を考えた。

読書で離婚を考えた。

 

 読書でコミュニケーションを取ろうとするも失敗する、一風変わったファーストコンタクトSF(うそです)。ここ

 

 谷崎由依『囚われの島』(河出書房新社
囚われの島

囚われの島

 

 SFと進化論とフェミニズム幻想文学をひとまとめにしてわけわかんなくした小説。ここ