面白かった本(2017/8)

8月に読んで面白かった本のまとめ。

 

 早坂吝『ドローン探偵と世界の終わりの館』(文藝春秋
ドローン探偵と世界の終わりの館

ドローン探偵と世界の終わりの館

 

 ドローンをフル活用した佳作ミステリ。詳細はここ

 

矢部嵩『魔女の子供はやってこない』(角川ホラー文庫

 幻想的かつ不条理な癖して実はめちゃくちゃよく練られたガール・ミーツ・ガール。ここ

 

ブルガーコフ『犬の心臓・運命の卵』(新潮文庫
犬の心臓・運命の卵 (新潮文庫)

犬の心臓・運命の卵 (新潮文庫)

 

 「犬の心臓」はフランケンシュタインにユーモアを混ぜたSFっぽい小説として、結構おもしろい。一方「運命の卵」は散漫としてて何が何だか。

 

 亀田達也『モラルの起源』(岩波新書
モラルの起源――実験社会科学からの問い (岩波新書)

モラルの起源――実験社会科学からの問い (岩波新書)

 

 進化論を応用して、自然主義的にモラルやら社会やらを見ていく試みには共感できる。ただ、進化論のテクニカルタームの使い方が不用意(社会性昆虫は血縁が淘汰の単位だがヒトは個体が淘汰の単位だ、とか)だったり、そもそもモラルの話をあんまりしなかったりと、欠点もたくさん。

 

藤原帰一『戦争を記憶する』(講談社現代新書
戦争を記憶する 広島・ホロコーストと現在 (講談社現代新書)

戦争を記憶する 広島・ホロコーストと現在 (講談社現代新書)

 

 戦争の記憶を研究することの重要性があまりはっきりとしない点以外はよかった。軍事力があってこそ平和が達成される「正戦思想」が、現実主義の対局に位置するという指摘に目から鱗。キューブリックスピルバーグなどを素材にしたアメリカの戦争観の分析もおもしろい。

 

 山田悟『糖質制限の真実』(幻冬舎新書

 ざっくりとした糖質制限の概説としてはまあまあ。アトキンスをしっかり論難しているのは偉い。科学的なエビデンス・統計の解説が中心で、食事内容の具体例があまりないのが残念。

 

 最相葉月星新一(上・下)』(新潮文庫
星新一〈上〉―一〇〇一話をつくった人 (新潮文庫)

星新一〈上〉―一〇〇一話をつくった人 (新潮文庫)

 
星新一〈下〉―一〇〇一話をつくった人 (新潮文庫)

星新一〈下〉―一〇〇一話をつくった人 (新潮文庫)

 

 星新一の伝記なんだけど、広田弘毅やら吉行淳之介やらタモリやら、登場する人物がやたら豪華なのに驚いた。