単調なストーリーにやたらハイテンションなゾンビ/ヨン・サンホ「新感染 ファイナル・エクスプレス」

 エンタメとしてはまあまあといったところ。演出はなかなか悪くなく、ちょっとしたホラー要素も楽しめる。そしてキャラクターの個性はとてもきっちり描かれている(役者がすごく頑張ってるから、というのもあるのかもしれないけれど)。

その一方で、ストーリーは極めて単調で意外性もへったくれもない。特に、思わせぶりに描いていた浮浪者らしき人(チェ・グィファ)が結局何なのかさっぱりわからないまま死んでいったのは、なんだそりゃって感じ。前日譚である「ソウル・ステーション/パンデミック」というアニメ映画があるらしいので、そちらで伏線が回収されることに期待はしますが……。

あと、ゾンビたちがやたらハイテンションで、全力ダッシュで追いかけてくるのは、かなり好みがわかれるところだろう。ぼくは最初まったく理解できず、てっきりギャグシーンかと思って笑ってしまった。流石に終盤になってくると慣れるが、とはいってもねえ……。