伊藤英明の尻と乳首に目を奪われるだけの映画/三池崇史「悪の教典」

悪の教典

悪の教典

 

 原作既読(かなり昔)。ぼくは原作もそこまで面白いとは思わなかったんだけど(特に下巻)、これは原作以上に微妙だなあ。原作は、下巻のギャグまがいのスプラッターはともかく、上巻のじりじりとにじり寄ってくるような嫌らしさはわりとよかったと記憶しているんだけど、この映画の前半だと、あっけなさを感じる場面が多いと思う。もちろんそれは主人公ハスミン(伊藤英明)のサイコパス性とも関係してはいるとは思うんだけど……それでも物足りなさを感じた部分が多い。あと、わりと簡素な演出のためにときどき話のつながりがわからなくなったときも多い。

また、生徒一人ひとりの個性も薄く、途中で誰が誰だかわからずだんだん混乱してくる。その一方で教師陣はやたらとレベルが高く、特にハスミンと気持ち悪い物理教師(吹越満)の二人の存在感は圧倒的。この二人のための映画といっても過言ではないと思う。

 

ところで、この映画はなんでか知らないけど、ハスミンと女生徒(水野絵梨奈)の濡れ場は省略しているのに(原作だと英語の授業しながらセックスをするという迷シーンがあったような……)、ゲイの教師(平岳大)と生徒(林遣都)のフェラシーンはそこそこちゃんと描いている。なんでなんだろうね?

その流れでいうと、やたらと伊藤英明の肉体美を鑑賞できたのは本作のいいところの一つ。もう、伊藤英明が脱ぐたび、綺麗な尻と乳首に目を奪われてしまいましたよ。

 

悪の教典(上) (文春文庫)

悪の教典(上) (文春文庫)

 
悪の教典(下) (文春文庫)

悪の教典(下) (文春文庫)