面白かった本(2018/2)

2月に読んで面白かった本のまとめ。

 

 イアン・エアーズ『その数学が戦略を決める』(文春文庫、2010年)
その数学が戦略を決める (文春文庫)

その数学が戦略を決める (文春文庫)

 

統計学で何ができるか、という話を大量に集めた本。人を統計の勉強に促す本としてはとてもよい。トリビアも多い。

 

 伊藤公一朗『データ分析の力』(光文社新書、2017年)
データ分析の力 因果関係に迫る思考法 (光文社新書)

データ分析の力 因果関係に迫る思考法 (光文社新書)

 

 こちらは統計分析の手法を解説した本。かなり直感的な書き方なので専門性はあまりないかもしれないが、たいへん理解しやすい。

 

千葉聡『歌うカタツムリ』(岩波科学ライブラリー、2017年)
歌うカタツムリ――進化とらせんの物語 (岩波科学ライブラリー)

歌うカタツムリ――進化とらせんの物語 (岩波科学ライブラリー)

 

 カタツムリの研究を通して進化論の歴史を見る本。詳細はここ

 

 内田良『ブラック部活動』(東洋館出版社、2017年)
ブラック部活動 子どもと先生の苦しみに向き合う

ブラック部活動 子どもと先生の苦しみに向き合う

 

 「ブラック部活動」が起こる原因やその解決策についてはやや説得力に欠ける部分もあるが、現状のまとめとしてはとてもよい。学生のころにぼくが部活動というものに対して抱いていたモヤモヤがかなり言語化されているというのもあってスッキリした。

ただ、「既存の本では運動部ばかりを対象としたが、本書では吹奏楽部などの文化部も視野に入れた」というわりには、たいして文化部の話題が出ていないのは気になる。

 

入不二基義『哲学の誤読』(ちくま新書、2007年)
哲学の誤読 ―入試現代文で哲学する! (ちくま新書)

哲学の誤読 ―入試現代文で哲学する! (ちくま新書)

 

 入試問題で哲学を勉強する、というユニークな本。ここ

 

石川博品メロディ・リリック・アイドル・マジック』(ダッシュエックス文庫、2016年)

 青春モノのラノベとしては悪くないとは思うが、なんだか展開は急だし話が散漫な気もするし……。あとエロ描写は邪魔なだけ。アホなエロ描写で中学生に読んでもらうようなタイプの作家性でもないでしょうに。