演出の大切さをあらためて思い知らせてくれるドラマ/黒沢清「贖罪」

 たぶん、話の都合の良さでいえば「告白」といい勝負だと思う。そんな都合よく15年後にぴったりと事件なんて起こんねーよとかなんとか、挙げようと思えばキリはない。

でも、そんなのどーでもよくね? と思わせてくれるほどに演出が圧倒的に素晴らしい。話が微妙なのに演出が輪をかけてダメだった「告白」とは対照的。このレベルの話で300分というのは若干長いような気がするんだけど、そんな長さを全然感じさせないほどにひとつひとつの映像描写が魅力的なんだと思う。

またそれを支える俳優陣もえらい。とくにびっくりしたのは小池栄子で、最初は小池栄子が新任教師とか無理ありすぎだろと思っていたんだけど、見れば見るほど小池栄子しかありえないと思わせてくれる。

 

贖罪 (双葉文庫)

贖罪 (双葉文庫)

 
告白

告白