行き当たりばったりなシリーズだとようやく気づいた/十文字青『灰と幻想のグリムガル(12)」』

ひっでえなーこれ。行き当たりばったりでだらだらと400ページ弱もくだらねー話読ませて、その果てのオチも良くも悪くもない微妙な出来。オチのほうはまだ我慢できますが、過程のほうは耐え難いものがある。

実は、『灰と幻想のグリムガル』シリーズは、一貫して前述のような問題点を持ち続けてきた。『グリムガル』では特に明らかな伏線もなく人が死んだり味方キャラがパーティから離脱したりする。そういう意味で、今までの『グリムガル』も基本的には行き当たりばったりな作品ではある。

ただ、それまではそのような行き当たりばったり感が、暗めのストーリーと組み合わさることによって、むしろリアリティを醸し出していた。でもこの巻では、そういう特徴が(作者曰く)「楽しい」ストーリーと組み合わさったことで、ひたすら能天気なだけの一冊になってしまっている。

 

……次の巻もこんな感じだったら、読むのやめちゃうかもなあ……。