やっぱ女子高生と付き合おうとする先生なんてクズだよね~/やまもり三香『ひるなかの流星(1~12)』

やっぱり、女子高生と付き合おうとする先生なんてクズだと思う。もちろん、2次元のなかでくらいそういうことがあってもいいじゃん、というひとの気持ちもわからなくはないんだけど。でもぼくは、そんなにナイーブに現実とお話の中の世界を区別する、というのにはやや抵抗がある(少女漫画的な世界が、出版社のえらそーなおっさんのイデオロギーをけっこう反映している、みたいな話も聞いたことありますし)。

だから、読んでる途中はだいぶモヤモヤしたし、最終巻ですずめが沖縄から東京に戻ったところを読んで「あー……」と思ってしまった。でもラストまで読んでみたら、いやーめでたしめでたし。馬村とくっついてくれてほんとうによかった。このカタルシスは(良くも悪くも)他ではなかなか味わえない。

 

 おまけ。

ぼくはやまもりの次回作『椿町ロンリープラネット』も読んでいてそこそこ好きなんだけど、これも女子高生が先生(といっても『椿町』の場合は学校の先生じゃなくて小説家なんだけど)と付き合う話ではある。でも、『椿町』を読んでたときはそんなにモヤモヤを感じていなかった。で、『ひるなか』を読んだ後、この差はなんでだろうな~って考えていたんだけど、もしかすると『椿町』はライバルキャラが同級生じゃないからかもしれない。

椿町』の木卑野先生も、まあ女子高生に手を出すクズといえばそうである。ただ、『椿町』の場合は木卑野先生のライバルキャラも普通に社会人で、これまた女子高生に恋をするクズである。そこで比較するなら、まあ木卑野先生のクズさも相対的にはマシになる。だから、『椿町』を読んだときには感じなかった違和感を、『ひるなか』の獅子尾には感じたんだと思う。