読んだ本(2019/7)

7月に読んだ本のまとめ。

 

 

エレツ・エイデン、ジャン=バティースト・ミシェル『カルチャロミクス』(草思社、2016年)
カルチャロミクス;文化をビッグデータで計測する

カルチャロミクス;文化をビッグデータで計測する

 

 膨大な書籍のテキストデータをビッグデータとして扱い、文化をさまざまな方法で定量的に計測する本。詳細はここ

 

佐川恭一『サークルクラッシャー麻紀』(破滅派、2017年)
サークルクラッシャー麻紀 (破滅派)

サークルクラッシャー麻紀 (破滅派)

 

 木下古栗とこの作家を比べる記事をたまたま見たので、試しに読んでみたんだが、うーん。「黒い森見登美彦」の呼び名はまあわかるが、単にそこそこ質の良い文章にネットミームを飾っただけのようにも見える。

 

ハンス・ロスリングほか『FACTFULNESS』(日経BP、2019年)
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

 

 中心となる「世界は徐々に良くなってる」という主張については、ピンカーとからへんの人たちがちょこちょこ言うようになってきた話題なので、そこまで驚きはない。ただこの本では、発展したアジアやアフリカの諸国を「巨大なマーケット」としてもとらえており、そういう現実を見ないと巨大なビジネスチャンスを逃すことになるとしているのがとてもおもしろい。

 

石黒達昌『検査室』(アドレナライズ、2018年)
検査室

検査室

 

 石黒達昌の電子オリジナル短編集。まあ要は落穂拾いなのでよくわかんない作品も多い。そんな中で「カミラ蜂との七十三日」は傑作で、フェイクドキュメンタリー調でドタバタ劇をやっていてすごくおもしろかった。

 

石黒達昌『待合室』(アドレナライズ、2018年)
待合室

待合室

 

 こちらは電子オリジナルのエッセイ集。文学と医学を絡めたエッセイはやはり圧倒的に面白く、とくに村上春樹風の歌を聴け』を精神病の観点から読むエッセイがめちゃくちゃ面白かった。

 

松尾匡『新しい左翼入門』(講談社現代新書、2012年)
新しい左翼入門―相克の運動史は超えられるか (講談社現代新書)

新しい左翼入門―相克の運動史は超えられるか (講談社現代新書)

 

 松尾匡による日本の左翼の歴史の整理。詳細はここ

 

宮内悠介『超動く家にて 宮内悠介短編集』(創元日本SF叢書、2018年)
超動く家にて 宮内悠介短編集 (創元日本SF叢書)
 

 いやー初宮内悠介にこれを選んだのは失敗だったかな。すげー変な短編集。デイヴィットスンをもうちょっと理詰めにした感じ? 「文学部のこと」「夜間飛行」「弥生の鯨」あたりがわりとよかった。

 

横田紋奈、宇賀神みずき『いちばんやさしいGit&GitHubの教本』(インプレス、2018年)
いちばんやさしいGit&GitHubの教本 人気講師が教えるバージョン管理&共有入門 (「いちばんやさしい教本」シリーズ)

いちばんやさしいGit&GitHubの教本 人気講師が教えるバージョン管理&共有入門 (「いちばんやさしい教本」シリーズ)

 

 コマンドプロンプトをベースにGitの操作を説明してくれるので、だいぶ操作のイメージがついた。読書メモはここ