信じられないくらい読みやすい/劉慈欣『三体』

三体

三体

(ベストセラーのくせに)意外にも、アホみたいにスケール広げたバカSF一歩手前の小説といった感じで、けっこう楽しめた。特に後半1/3ぐらいの面白さはホンモノ。ただ、そこに至るまでがけっこうかったるくてしんどかった。変な話だが、「円」のほうがきれいにまとまってて、あっち読んだときのほうが衝撃的だった。

その一方で驚愕したのが異様な読みやすさ。ちょっと翻訳SFとは思えない日本語の自然さで、するすると最後まで読めた。劉慈欣の原文が読みやすいのか、英訳者のケン・リュウが綺麗に訳したのか、それとも日本の訳者陣のおかげなのかはよくわからないが、何にせよすばらしい。確かにSF入門にこれを勧めるのはアリかも。

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敵を撃たなくたってFPSは楽しいです/「Portal」

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4時間くらいでサクッと楽しめる、非常に面白いパズルFPSだった。ルール自体はかなりシンプルなんだけど、そのルールをフル活用して非常に凝った謎解きを作ってくれる。スプラ2の「オクト・エキスパンション」に近いかな。SFっぽい背景ストーリーを明示はせずに伝えるのもうまい。

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当代最高のSF作家の、オーソドックスなSF短編集/テッド・チャン『息吹』

息吹

息吹

当代最高のSF作家テッド・チャンの、17年ぶりに刊行された第2短編集。オーソドックスなテーマを扱いながら、チャン流の文学的な味付けと情報の圧縮により、大変キレのある短編揃いとなっている。

ひとつだけ気になったのは、『あなたの人生の物語』との方向性の違いか。『あなたの人生の物語』はとてもすばらしい短編集なんだけど、かなり変な小説も多かった。それと比較すると本書に収録された小説はかなり正統派SFが多いように思う。単純にぼくの好みとしては変な小説のほうが好きかなあ。でも短編の完成度はどちらも高いです。

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異世界はスマートフォンとともに/鈴木朋子『親が知らない子どものスマホ』

親が知らない子どものスマホ

親が知らない子どものスマホ

おもしろーい。要は、中高生という特殊な立場、中学校・高校という特殊な社会において、親(というか大人)からすれば想像もつかないような局所的な合理性があるという話で、ちょっとした異世界気分を味わえる。一応親向けの本として書かれているとは思うんだけど、アプリ開発者とかが読んでみるとけっこう役に立つかもしれない。

逃げ恥まだまだ続きます!!!/海野つなみ『逃げるは恥だが役に立つ(10)』

少女マンガでよくある、いろんな登場人物に焦点を当てた短編集なのかなーと思ってたら、ガッツリ「数年後の逃げ恥」が展開されててびっくり。まあなんだかんだで逃げ恥のキャラにもけっこう愛着はあるので、続いてくれて嬉しい。内容的には良くも悪くも今までの逃げ恥と同じなので、今までのファンなら読んで損はないはず。

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ブログのフォントをユニバーサルデザインフォントに変更しました

ユニバーサルデザインについてこんな記事書いたりしているのに、それを実践しないのもどうかと思ったので、ブログのフォントをユニバーサルデザインフォントに変更してみた。ただし無料版はてなブログだとスマホのデザインを変更できないようなので、そちらのほうは断念。表示崩れがないかどうか一応軽くチェックはしたけど見落としがあるかもしれないので、表示崩れを見つけたら報告していただけると助かります。

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