2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧

これ『ロリータ』?/谷崎由依『囚われの島』

囚われの島 作者: 谷崎由依 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2017/06/13 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 1章を読み進めているときのワクワク感はすさまじい。幻想文学に蚕を中心としたさまざまなイメージを重ねて重層的にし、フェミニ…

SF的な日本で円満に暮らすっていうこと/円城塔、田辺青蛙『読書で離婚を考えた。』

読書で離婚を考えた。 作者: 円城塔,田辺青蛙 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2017/06/22 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 小説生成エイリアンこと円城塔とホラー小説家の田辺青蛙の夫婦が、お互いに本を勧め合うというかたちでコミュニケー…

やはりぼくたちに必要なのは実証的・統計的な研究だ/北田暁大ほか『現代ニッポン論壇事情』

現代ニッポン論壇事情 社会批評の30年史 (イースト新書) 作者: 北田暁大,栗原裕一郎,後藤和智 出版社/メーカー: イースト・プレス 発売日: 2017/06/10 メディア: 新書 この商品を含むブログ (3件) を見る 特にここ最近評判の良くなってきた、松尾匡、ブレイ…

どうしてぼくたちがバカなのかはわかるけど/網谷祐一『理性の起源』

理性の起源: 賢すぎる、愚かすぎる、それが人間だ (河出ブックス 101) 作者: 網谷祐一 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2017/02/11 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (4件) を見る 副題詐欺。ぼくたちが一見すると「愚かすぎ…

哲学の最前線の手際の良い紹介/岡本裕一朗『いま世界の哲学者が考えていること』

いま世界の哲学者が考えていること 作者: 岡本裕一朗 出版社/メーカー: ダイヤモンド社 発売日: 2016/09/09 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (11件) を見る 日本ではまだちゃんと紹介されていないポストモダン以降の哲学を簡潔に紹介…

凡作を通じて過去の読書体験を葬るということ/江波光則『鳥葬』

鳥葬 -まだ人間じゃない- (ガガガ文庫) 作者: 江波光則,くまおり純 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2013/05/17 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (16件) を見る 個人的に、とてもつらい読書体験だった。

「萌えられる異形」を描けるのはえらい/弐瓶勉『シドニアの騎士(1~15)』

シドニアの騎士(1) (アフタヌーンコミックス) 作者: 弐瓶勉 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2013/04/26 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 全体的にはいまいち。戦闘シーンがかなりわかりづらく、長々としたセリフをいちいち追いかけなが…

面白かった本(2017/5)

5月に読んで面白かった本のまとめ。