2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

10年代の面白い日本SFを網羅するアンソロジー/大森望、伴名練編『2010年代SF傑作選(1・2)』

2010年代SF傑作選1 (ハヤカワ文庫JA)発売日: 2020/02/06メディア: 文庫2010年代SF傑作選2 (ハヤカワ文庫JA)発売日: 2020/02/06メディア: 文庫10年代の面白い日本SFを網羅しようという気概が感じられる。また、流石に傑作選を謳うだけあり、ある程度制約があ…

「○○っす」とジェンダー解体の意外なつながり/中村桃子『新敬語「マジヤバイっす」』

新敬語「マジヤバイっす」: 社会言語学の視点から作者:桃子, 中村発売日: 2020/03/12メディア: 単行本まず、「○○っす」という言葉遣いが、単なる教養のない若者の言葉というだけでなく、敬意と親しさの両方を表現する機能を持つというだけでもけっこう面白い…

風俗小説やメタミステリーとしてはだいぶ力作/辻真先『たかが殺人じゃないか』

たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説作者:辻 真先発売日: 2020/05/29メディア: Kindle版風俗小説やメタミステリーとして読むとだいぶ力作。戦後日本という舞台設定が単なる飾りにとどまっておらず、ミステリーという形式を成り立たせるものとなっている…

中島敦って実はめちゃくちゃ頭でっかちインテリ嫌いだったのでは?/中島敦「かめれおん日記」

中島敦 (ちくま日本文学 12)作者:中島 敦発売日: 2008/03/10メディア: 文庫佐野幹『「山月記」はなぜ国民教材となったのか』では、中島敦「山月記」は頭でっかちなインテリを批判するような教育的な意図があり、それが教科書に採択され続けてきた側面がある…

政治と宗教によって歪められてきた時間の歴史/リオフランク・ホルフォード‐ストレブンズ『暦と時間の歴史』

暦と時間の歴史 (サイエンス・パレット)作者:Leofranc Holford-Strevens発売日: 2013/09/26メディア: 新書主に暦の歴史に重点を置いた本。200ページの新書のわりにはだいぶ情報量が多い。若干ニッチさは否めないが、それでも年月日時というわれわれが当たり…

クセも特徴も薄いFE/「ファイアーエムブレム 烈火の剣」

ファイアーエムブレム 烈火の剣 [WiiUで遊べるゲームボーイアドバンスソフト][オンラインコード]発売日: 2014/10/30メディア: Software Downloadヘクトル編は未プレイ。主人公格のキャラクターが3人いるという点は特徴的だが、それ以外はこれといった特徴が…

読んだ本(2021/2)

2月に読んだ本のまとめ。