2023-01-01から1年間の記事一覧

家政婦の歴史と、木下古栗の受けたパワハラ

家政婦の歴史 (文春新書)作者:濱口 桂一郎文藝春秋Amazon濱口桂一郎の新刊『家政婦の歴史』を読んだんだけどこれがとんでもなくすさまじい本で、労働法にひっそりと書かれた時代錯誤な条文が戦後から今の今まで生き残っており、なおかつそのことに誰も気づい…

なぜ市川沙央『ハンチバック』ではネットスラングが多用されているのか

ハンチバック (文春e-book)作者:市川 沙央文藝春秋Amazon市川沙央『ハンチバック』についてもういっちょ。『ハンチバック』を読んでふと気になったのは、ネットスラングの多さだ。「◯◯み」とか純文で使う言葉じゃねーぞ。中卒の人間が大学の通信課程に通うの…

なぜ市川沙央『ハンチバック』の冒頭には三文エロ記事があるのか

ハンチバック (文春e-book)作者:市川 沙央文藝春秋Amazon重度の障害を持つかたわら文學界新人賞・芥川賞を受賞し、挑発的な記者会見も含めてたいへん話題となった市川沙央『ハンチバック』ですが、この小説の冒頭には「都内最大級のハプバに潜入したら港区女…

たいして面白くはないが、生成過程は気になる/フリー・グーグルトン『茹で甲斐』

茹で甲斐: パスタにまつわる94の掌編作者:フリー・グーグルトンAmazon木下古栗がフリー・グーグルトン名義で出版した電子書籍の2冊め。こちらはAIを利用して書いた掌編小説集で、曰く 文章はすべて「Perplexity」と「Deepl」を使用して生成され、その後、人…

長編エッセイで振り返る木下古栗の20年/フリー・グーグルトン『高尾症候群』

高尾症候群作者:フリー・グーグルトンAmazon「珍フルエンサー栗美」最終回でも予告されていた、ある意味で木下古栗の集大成ともいえるような長編エッセイ。これまで各種小説やエッセイで断片的に語られてきた古栗の思想が、有機的なつながりを持って一冊の本…

今年の10冊(2022)

2022年に読んだ、印象に残った本およびその印象のまとめ(小説とノンフィクションをそれぞれ10冊ずつ)。

1200円でも割高なのでは/「風ノ旅ビト」

store.playstation.com ゲームシステムやストーリーについて説明はほぼないが、まあふわっと雰囲気はわかるようになっており、まあこういうのもアリだとは思う。バイブレーションの使い方が特徴的で、キャラクターの移動などに合わせて微弱なバイブレーショ…