自称リベラルの隠れ差別主義者どもも普通の差別主義者といっしょにまとめてくたばっちまえという感じの、かなりしっかりとしたメッセージ性。肉食動物に対する差別まできっちりと描いているのはよいこと。それから、ストーリーの構成がかなりしっかりしており、映画というメディアで見ていて十分に楽しめるという範囲の中で最大限に伏線を張り巡らせている。
ちょっと気になったのは、もともと「ズートピア」という都市が何なのかがよくわからなかったということ。ああいう理念先行の都市が成立し、内部のダメさがうまく周りに伝わらないまま田舎の人間に理想郷として崇められる、というのは、あまり現実的ではないかなー。
おまけ。最近この映画を見た他の人の意見で、トランプが大統領になったことを引き合いに出して、トランプ(とその支持者)がこの映画をどう思うのか、みたいな感じで彼らを批判するようなものを見かけた。でも、彼らが怒り狂っている対象は、まさに副市長のヒツジがやっていたような逆差別だ。だから、彼らは都合のいいところをうまーく引用しつつ、この映画を褒めるんじゃないかな。