8月に読んで面白かった本のまとめ。
早坂吝『ドローン探偵と世界の終わりの館』(文藝春秋)
ドローンをフル活用した佳作ミステリ。詳細はここ。
矢部嵩『魔女の子供はやってこない』(角川ホラー文庫)
幻想的かつ不条理な癖して実はめちゃくちゃよく練られたガール・ミーツ・ガール。ここ。
ブルガーコフ『犬の心臓・運命の卵』(新潮文庫)
- 作者: ミハイルブルガーコフ,Valerij Gretchko,増本浩子,ヴァレリーグレチュコ
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2015/11/28
- メディア: 文庫
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「犬の心臓」はフランケンシュタインにユーモアを混ぜたSFっぽい小説として、結構おもしろい。一方「運命の卵」は散漫としてて何が何だか。
亀田達也『モラルの起源』(岩波新書)
進化論を応用して、自然主義的にモラルやら社会やらを見ていく試みには共感できる。ただ、進化論のテクニカルタームの使い方が不用意(社会性昆虫は血縁が淘汰の単位だがヒトは個体が淘汰の単位だ、とか)だったり、そもそもモラルの話をあんまりしなかったりと、欠点もたくさん。
藤原帰一『戦争を記憶する』(講談社現代新書)
戦争を記憶する 広島・ホロコーストと現在 (講談社現代新書)
- 作者: 藤原帰一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/02/20
- メディア: 新書
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戦争の記憶を研究することの重要性があまりはっきりとしない点以外はよかった。軍事力があってこそ平和が達成される「正戦思想」が、現実主義の対局に位置するという指摘に目から鱗。キューブリックやスピルバーグなどを素材にしたアメリカの戦争観の分析もおもしろい。
山田悟『糖質制限の真実』(幻冬舎新書)
糖質制限の真実 日本人を救う革命的食事法ロカボのすべ て (幻冬舎新書)
- 作者: 山田悟
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2015/11/12
- メディア: 新書
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ざっくりとした糖質制限の概説としてはまあまあ。アトキンスをしっかり論難しているのは偉い。科学的なエビデンス・統計の解説が中心で、食事内容の具体例があまりないのが残念。