なんで江野くんこんなことやってるの?/白石晃士「殺人ワークショップ」

殺人ワークショップ [DVD]

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 「コワすぎ!」を一気に見て大変面白かったのでこちらも見てみた。わりとおもしろいね―。題名にもなっている「ワークショップ」があんまり活きておらず、単なる集団殺人計画っぽくなっているのは残念な一方、軽い気持ちで殺人衝動を持った主人公たちがどんどんサイコになっていく過程はなかなかよい。また、クズに定評のある白石晃士は健在で、DV彼氏やバイト仲間をいじめていたチンピラ2人組なんかはすさまじいリアリティ。

ENBUゼミナールという学校の映像俳優コースの学生の作った卒業作品が元になっているらしく、出ている俳優も多くが素人だったため、演技の腕の差にばらつきがあったのは気になる。主人公であるモリアキコ(木内彬子)はわりと、被DV女からのサイコみたいな雰囲気が出ていてよかったのだけど、自称猟奇趣味のユウマ(杉木悠真)とかはダメダメだったのは残念。

 

ところで「オカルト」で概念となった江野祥平(宇野祥平)は、なんでこんなことをやってるのかしら? 「戦慄怪奇ファイル コワすぎ!最終章」では、白石晃士(=田代)を助けるという目的が見え隠れしていたから、江野くんが出たのもそれなりに納得できるのだけど、こちらはあまり納得できず。冒頭およびラストで江野くんが渋谷のスクランブル交差点を歩いているシーンを見る限り、確実に「オカルト」と関連はあるはずなのだけれど……結局よくわからん。