主催者が積極的に介入するデスゲームってどうなの/「ダンガンロンパ」

 まずは良い点から。特に驚いたのは、ペーパークラフトとアニメ絵のあいのこみたいな、公式曰く「2.5D」のマップ。絶妙にアニメ感を保ちつつ、見るに耐えうる3Dマップを作ったというのにびっくりした。

また、要の推理も悪くはない。ミステリー読みにとっては定番といえるトリックも多く、話の大筋については捜査の時点で概ね予想がつくものの、細部を詰める楽しさは健在。

 

でも不満な点も多い。ラノベちっくな世界設定およびキャラ設定が受け入れられなかったのは、歳をとってしまったぼくが悪いとしても、だ。

システム面で不満なのは、裁判パートのアクション(STG?)要素があまり面白くない点。「逆転裁判」的なシステムを踏襲しつつ、そこから1歩進化したものを作りたかった、というのはわかるんだけど、それでも擁護できません。特に、事件の真相をマンガのコマにして完成させる「クライマックス推理」は、どの絵が何を表しているのかわかりづらくとてもストレスフル。

さらに、そんなことよりもストーリー面で気になるのは、主催者が積極的にデスゲームに介入している点。デスゲームの美徳っていうのは、ある程度限定された状況下で、参加者の理性的(あるいは非理性的)思考が死を導いてしまう、というところだと、ぼくは思っていた。だってそうじゃないと、「人間の本性としての悪」みたいなものを表現できないはず。ところがこのゲームでは、主催者がガンガン殺人を唆す。えーそれでいいの? だってそれって、「権力を持っている人が強い」ってことを表しているだけじゃん。

 

ということで、推理ゲームとしては悪くないんだけどいろいろ不満。まあカップリング版でプレイしたので、2も一応やってみますが……。

 

ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 PSP the Best

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