薄味ながら、白と黒のコントラストは圧巻/阿部共実『月曜日の友達(1~2)』

 正直ストーリーは薄味。いやもちろんだからといってまったくダメなわけではないんだけど、『ちーちゃんはちょっと足りない』を読んでしまったあとだと……。まあ『ちーちゃん』ほどの圧倒的な完成度と骨太さを求めるのも酷だとは思うんだけど。

すごくドキっとしたのは、2巻の前半の方の、水谷と月野がケンカをして別れた直後に、そのケンカの原因だった火木と月野の間で超能力が発生したシーン。ここを読んでぼくは、てっきりそのまま寝取られ展開に行くのかと思った(もしそうだったらぼくは『月曜日』を『ちーちゃん』並に好きになってたと思う)。でも、あっさり仲直りしちまいやがって(いや実際はそんなにあっさりではないんだけど)。ものすごく期待した分、期待を裏切られた感も大きかったのは残念。

ただ、その分(?)絵の方はかなり印象的。特に圧巻だったのが白と黒の使い方で、白あるいは黒の背景だけで他に何も絵がないコマや、白と黒のベタ塗りだけで構成されたコマなど、とにかく印象に残るシーンが多い。マンガというモノクロの媒体の中で白と黒のコントラストを強調できる、というのは純粋にすごいと思う。

 

月曜日の友達(2) (ビッグコミックス)