振り返ってみると、ドッキリ映像を単に映画にしました、というだけの映画ではある。だが、監督が白石晃士であるということが話をややこしくしている。白石晃士といえばフェイクドキュメンタリーの作り手だ。だから、ドッキリのネタばらしが行われるまで、白石晃士ファンは「これはドッキリなのか? それともガチの演技なのか?」と悩み続けることになる。
そしてそのややこしい構造を支えているのは、ドッキリの仕掛け人側と思われる早見あかり。彼女のかなりうまい演技のおかげで、本格的に何が正しくて何が正しくないのかわからなくなってくる。そういう意味でこの映画は、世にも珍しいメタ・フェイクドキュメンタリーとなっている。
まあ、それだけといえばそれだけかも。 アイドル映画の常として、ももクロのライブシーンがやたら長いのがダレるし、ドッキリという制約のせいでうまい演出も入れられないし……。
フェイクドキュメンタリーの教科書: リアリティのある“嘘"を描く映画表現 その歴史と撮影テクニック
- 作者: 白石晃士
- 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
- 発売日: 2016/01/07
- メディア: 単行本
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