世にも珍しいメタ・フェイクドキュメンタリー/白石晃士「シロメ」

シロメ

シロメ

 

 振り返ってみると、ドッキリ映像を単に映画にしました、というだけの映画ではある。だが、監督が白石晃士であるということが話をややこしくしている。白石晃士といえばフェイクドキュメンタリーの作り手だ。だから、ドッキリのネタばらしが行われるまで、白石晃士ファンは「これはドッキリなのか? それともガチの演技なのか?」と悩み続けることになる。

そしてそのややこしい構造を支えているのは、ドッキリの仕掛け人側と思われる早見あかり。彼女のかなりうまい演技のおかげで、本格的に何が正しくて何が正しくないのかわからなくなってくる。そういう意味でこの映画は、世にも珍しいメタ・フェイクドキュメンタリーとなっている。

 

まあ、それだけといえばそれだけかも。 アイドル映画の常として、ももクロのライブシーンがやたら長いのがダレるし、ドッキリという制約のせいでうまい演出も入れられないし……。