「第四の壁」って伝わるの?/ティム・ミラー「デッドプール」

 映画自体はたいへんおもしろかったので大満足。アメコミ映画特有の疾走感で、デッドプールが雑兵どもをわりとえげつない方法で殺戮していくというのは、わりとレアな絵面なのではないか。

ところで、見ていたときめっちゃ気になったのだけど……「第四の壁」って通じるの?

もちろん、「第四の壁」を破るような演出が、小説・映画・ゲームなどの多くに積極的に取り入れられている、というのはわかっている。デッドプールがスクリーンの前のぼくたちに語りかけるという演出は、それ単体では、決して珍しいものではない。が、「『第四の壁』という言葉を物語の登場人物が使うこと」にはけっこうびっくりしてしまった。だってそんな言葉が、普通(?)のエンタメ映画で使われるなんて思わなかったもの。