8月に読んで面白かった本のまとめ。
フョードル・ドストエフスキー『白痴(1~3)』(河出文庫、2010年)
だらだら長くて、その割に単調な話ではあるんだが、なぜだか読めてしまう。ドタバタ劇として楽しむのが妥当か。
ハリー・G・フランクファート『真実について』(亜紀書房、2018年)
結論が穏当なのはまあいいとして、議論の中身も穏当すぎてつまらないというのは確か。真実を重視することの効用みたいな話も、それこそデネットとかにやらせたほうがずっと面白い話が出てきたんじゃないの。
『ウンコな議論』と同様、訳者解説は見事。フランクファートの道徳哲学思想における「真実」の位置づけとかこの本の現代的意義とか、まっとうに解説してくれるのはありがたいです。
中山清喬、飯田理恵子『スッキリわかるSQL入門』(インプレス、2013年)
スッキリわかる SQL 入門 ドリル215問付き! (スッキリシリーズ)
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SQLのおべんきょう。解説自体はとてもわかりやすかったんだが、ウリにしているはずのドリルの解答に、プログラミング初心者のぼくにですらわかるような間違いがけっこうあって、痒いところに手が届かない。
水瀬ケンイチ『お金は寝かせて増やしなさい』(フォレスト出版、2017年)
まあ言ってることは他のインデックス投資本とあんまかわらない。ただ、著者自身の投資体験記はなかなかレアで、リーマンショックのしんどさとその後のV字回復なんかは、インデックス投資をしている身としては大変勇気が出た。
井上智洋『AI時代の新・ベーシクインカム論』(光文社新書、2018年)
BIの解説はいいんだけど、AIの話をたいしてしてなくて、そのかわりに日本スゴイ一歩手前の言説がそこら中にあってウンザリ。BIの良さは再確認できた一方で、左翼の一部の人がBI論者を嫌うのもわかるなあという感じではある。『左からのベーシックインカム入門』みたいなタイトルの本を松尾匡あたりが早急に執筆することが必要とされる。
鴨志田一『青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない』(電撃文庫、2015年)
青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない 青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない (電撃文庫)
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すげー地味な話。その地味さが作品の質に貢献してるわけでもなく、なんとも。
青山拓央『分析哲学講義』(ちくま新書、2012年)
おもしろいところもけっこう多いが、正直つていけねーーーっていう部分も。ただまあ、書き方が明快なので、流し読みしてもなんとなく何いってるかわかるのはよいこと。
吉川浩満『人間の解剖はサルの解剖のための鍵である』(河出書房新社、2018年)
人文系ヘタレ知識人のための進化論入門書。詳細はここ。
アゴタ・クリストフ『悪童日記』(ハヤカワepi文庫、2001年)
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よかった。文体がめっちゃカラカラで読んでて喉が渇く。