どういう層を狙ったのかさっぱりわからない、イノセントな邪悪さ/伊原大貴『恋するワンピース(1)』

恋するワンピース 1 (ジャンプコミックス)

恋するワンピース 1 (ジャンプコミックス)

 

 アメトークのワンピース芸人の回とかを思い浮かべればわかりやすいんだけど、ワンピースファンってどことなくイノセントというか、まあそういう感じの雰囲気があるじゃないですか。ぼくはワンピースはなんだかんだで今も読み続けるくらい好きなんだけど、そのイノセントな感じにちょっと抵抗があって、あんまりファンだとは言っていなかった。

で、『恋するワンピース』である。このマンガのすごいところはイノセントな邪悪さ。ワンピースの名言をパロディするのと同じテンションで気軽に放火したりするところが本当に邪悪で倫理観に欠けていて、腹を抱えて笑いました。パロディが有名なものから異様にコアなものまであるのもポイント高い(蟹手のジャイロって誰だよ)。

しかしこれ、どういう層にウケると思ったのかだけはさっぱりわからない。いやまあぼくみたいに邪悪な人間はこういうマンガ好きだと思うけど、そういう人ってあんまワンピース読んでるイメージないし。それとも編集部的にはこれが純粋なワンピースファンにウケると思ったんだろうか……。