丸谷才一の嗅覚の鋭さに舌を巻くなど/マイケル・ルイス『マネー・ボール』

 データ分析を駆使して貧乏球団を強いチームに変化させる、という話ですごく面白い。異世界転生モノに片足突っ込んでる。この話の主人公ともいえるゼネラルマネージャーのビリー・ビーンが、「データ分析によって組織を改革する人」の典型的なイメージからはかけ離れているのもポイント。

が、ぼくがこの本を読んで一番驚いたのは、後ろに丸谷才一による書評が載っていること。まさかあの高名な文学者サマが、こんな金と野球とデータの話ばっかりしてるような下品な本をお読みになり、あまつさえ絶賛書評まで書かれるとは。おみそれしました。