信じられないくらい読みやすい/劉慈欣『三体』

三体

三体

(ベストセラーのくせに)意外にも、アホみたいにスケール広げたバカSF一歩手前の小説といった感じで、けっこう楽しめた。特に後半1/3ぐらいの面白さはホンモノ。ただ、そこに至るまでがけっこうかったるくてしんどかった。変な話だが、「円」のほうがきれいにまとまってて、あっち読んだときのほうが衝撃的だった。

その一方で驚愕したのが異様な読みやすさ。ちょっと翻訳SFとは思えない日本語の自然さで、するすると最後まで読めた。劉慈欣の原文が読みやすいのか、英訳者のケン・リュウが綺麗に訳したのか、それとも日本の訳者陣のおかげなのかはよくわからないが、何にせよすばらしい。確かにSF入門にこれを勧めるのはアリかも。



折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー (ハヤカワ文庫SF)

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2019/10/03
  • メディア: 文庫