読んだ本(2021/3)

3月に読んだ本のまとめ。


リオフランク・ホルフォード‐ストレブンズ『暦と時間の歴史』(サイエンス・パレット、2013年)

政治と宗教によって歪められてきた時間の歴史の本。詳細はここ

長谷川眞理子『進化とはなんだろうか』(岩波ジュニア新書、1999年)

進化論をあまりよく理解していなかった頃にこの本を読んでちんぷんかんぷんだったんだが、今あらためて読んでみて「こりゃ予備知識ゼロで読むのは厳しいわ」と思う。平易な語り口に対してわりとハイレベルな内容なので、入門書としてはちょっとつらい。あと血縁淘汰絡みの話がすっぽり抜け落ちているのもどうなんだろうか。性淘汰の話が読みやすく重点的に解説されているので、そこらへんの概説書としてはよいと思う。

辻真先『たかが殺人じゃないか』(東京創元社、2020年)

風俗小説やメタミステリーとしてはだいぶ力作。詳細はここ

中村桃子『新敬語「マジヤバイっす」』(白澤社、2020年)

「○○っす」という言葉の社会言語学的な分析。詳細はここ

アゴタ・クリストフ『ふたりの証拠』(ハヤカワepi文庫、2001年)

ふたりの証拠

ふたりの証拠

前作『悪童日記』とは違い、だいぶ変化球な感じ。簡素で迫力のある文章が書けるだけじゃないのねー。ただその一方で、作品自体のパワーみたいなものは落ちるか。

森川博之『5G』(岩波新書、2020年)

5G5G言われて踊らされてはいけないよというのがよくわかる。踊ってるような人に適切に冷水を浴びせてくれるのでよいかと。あとまあ技術系の話がちゃんと非理系レーベルの新書になるというのも大事なんじゃないかな。

大森望、伴名練編『2010年代SF傑作選(1・2)』(ハヤカワ文庫JA、2020年)

2010年代SF傑作選1 (ハヤカワ文庫JA)

2010年代SF傑作選1 (ハヤカワ文庫JA)

  • 発売日: 2020/02/06
  • メディア: 文庫
2010年代SF傑作選2 (ハヤカワ文庫JA)

2010年代SF傑作選2 (ハヤカワ文庫JA)

  • 発売日: 2020/02/06
  • メディア: 文庫
10年代の面白い日本SFを網羅するアンソロジー。詳細はここ

リュドミラ・ウリツカヤ『ソーネチカ』(新潮クレスト・ブックス、2002年)

リアリズムというのは保守性と密接に結びついている、ということをあらためて実感した。