あとはスリムにしてちくまプリマー新書に入れれば完璧/戸田山和久『教養の書』

教養の書

教養の書

戸田山和久による、実存が込められた「教養」の本。ギリシャ哲学から進化論や認知心理学まで、非常にさまざまな分野の上に「教養」を定義づけるという、気合の入った試み。教養という概念が持つ毒についても真摯に向き合っており、バランスがよい本となっている。ややハードな議論の割に砕けた文体なのは、やや好き嫌いは分かれるか。また、中高生~大学新入生に400ページの戸田山の議論を読ませるというのは、若干ハードな感じは否めない。250ページぐらいにしてちくまプリマー新書あたりに入れれば完璧だと思う。