前田敦子のおかげで割と見れる/黒沢清「旅のおわり世界のはじまり」

要約すると本当にこじんまりとしたストーリーなような気はするのだけれど、黒沢清の演出と前田敦子の魅力のおかげでなんとか2時間持たせているというような感じ。特に前半の不穏な雰囲気とかは、黒沢ホラーがうまいこと転用されていてよかった。前田敦子は嫌な女感を出すのが抜群にうまく、こちらも全体的な不穏さに貢献している。にしたって2時間はなげーよとは思うが。あと、ぼくは個人的に染谷将太がすごく苦手なのだけれども、今作ではすごく嫌な役をやってくれたおかげで、あまり違和感はなかった。