木下古栗『人間界の諸相』特設ページに掲載されていたエッセイについての調査メモ

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前々からちょこちょこ木下古栗全作品リストを更新しているのだけれど、先日コメントにてこんな情報提供をいただいた。

で、ここからはだいぶあやふやな情報になってしまうのですが…
『人間界の諸相』は紙面と同時に「小説すばる」の公式サイト内に開設された特設ページでも連載を同時進行していたのですが、そこには本編となる連作掌編の他にエッセイが二本掲載されたことがありました。
一本は木下氏が好きなミュージシャンとその音楽について書いた内容だったんですが、これに関してはタイトルもミュージシャンの名前も失念してしまいました…。
もう一本は「フーッ!」というタイトル(表記に若干の誤りがあるかもしれません)で、渋谷の街で「選挙フェス」に遭遇した際の憤りをストレートに書いた内容でした。
残念ながら特設ページは現在削除されてしまっているので確認が取れません。

『人間界の諸相』は特設ページにてWeb連載も行っていたのだけれども、その他にエッセイを何本か掲載していたとのこと。ただ、特設ページの削除に伴い、現在は確認ができない。


ツイッターでいろいろ検索したところ、特設ページのURLが確認できたため、困ったときのWayback Machineで調べてみたのだけど、残念ながらエッセイそのものはアーカイブに残っていなかった*1。ただ、不幸中の幸いで、連載1回分だけアーカイブが残っていたため、「フーッ!」「異界の表現者」というエッセイが存在することは確認できた*2

で、このうち「フーッ!」については、言われてみれば確かに、そんな感じのエッセイを読んだような記憶がかすかにある。「選挙運動廃絶運動」や「カンブリア宮殿爆破計画」に近いノリのエッセイだったような気がする。

もう一つの「異界の表現者」は、コメントでは「好きなミュージシャンとその音楽について書いた内容」とのこと。『小説すばる』2016年1月号の「Oh! マイアイドル」というコーナーで、古栗がスコット・ウォーカーというミュージシャンについて語っているエッセイがあるので、もしかするとそれじゃないだろうか? 同じ雑誌なので、エッセイをいい感じにリサイクルしたのかもしれない。だとすると、「フーッ!」についても『小説すばる』とかどこかで書いた雑文の再掲載か……? さすがに情報がなさすぎて、そこまでは調査できず。


ということで、『人間界の諸相』特設ページに掲載されていた木下古栗のエッセイについてはここまでわかった。日付なども不明だし、同じエッセイの再掲載の可能性もあるため、一応まだ全作品リストには追加しないが、せっかくなので調査メモとして残しておく。




2021/12/11追記
『人間界の諸相』の連載時の情報を調べていたところ、『小説すばる』2016年11月号の巻末に「フーッ!」が掲載されているのを見つけた。予想通り雑文の再掲載だった。また、「異界の表現者」についても、『小説すばる』2016年1月号の「Oh! マイアイドル」のコーナーで、「異界の表現者」という題名でエッセイを書いていることを確認した。両者とも、全作品リストに加えておく。

*1:一応Wayback MachineだけでなくWARPなどでも調べてみたが、アーカイブは残っていなかった。

*2:ちなみに同じドメインアーカイブは、他には石川宗生『ホテル・アルカディア』連載ページしかなかった。