パラパラ流し読みしてもまあまあ面白い/東畑開人『心はどこに消えた?』

ちょっと長めの序文は本当にすばらしく、ここ20年ぐらいの平成不況が原因で心の問題よりも社会の問題のほうがずっと大きくなってきてしまったという話はとても説得力ある。でも、その後に続く本文はそんな序文とあまり対応しておらず、ただのカウンセリングエッセイという感じ。まあ東畑はエッセイの名手なので、単にパラパラ流し読みしてもまあまあ面白いというのはあるけれども。