最高の目眩まし/ノーラン「プレステージ」

 

プレステージ (字幕版)
 

 予備知識なしで見始めたので、思いっきり不意打ちを食らった感じ。あとで調べたらクリストファー・プリースト原作と知ってなるほど納得。散々言われているように、膨大な伏線が積み重ねられているんだけど、その伏線ひとつひとつは決してわかりづらいものではないので、かなりすっきりする。

ニコラ・テスラは、出てきた時点でトンデモ展開を予想するべきですねえ。テスラと時代設定のおかげで、トンデモSFがかなり自然に溶け込んでいるのはポイント高い。テッド・チャン「商人と錬金術士の門」あたりが近いか。

 

おまけ。原題の "prestige" は「名声」とか「威信」みたいな意味で、この作品では「偉業」と訳されている。なんだけど、この語の語源は、ラテン語で「目眩まし」を意味する "prestigious" という単語なんだって(weblio英和辞典より)。うまい単語を見つけたもんだ。