6月に読んだ本のまとめ。
続きを読む音音音痛み痛み痛み/ティム・イーガン「CURVE」
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「音音音痛み痛み痛み」って感じの映画。奇抜なシチュエーションありきのホラーではあるのでダレそうですが、10分なのでなんとかなっている。音の使い方がとても上手で、的確に嫌悪感を煽られる。塚本晋也「HAZE」を思い出したが、取ってつけたようなオチがないところとかは「CURVE」のほうがよいと思う。
独創的な発明はちょっとしたテクニックの組み合わせでできている/藤原麻里菜『無駄なマシーンを発明しよう!』
和の雰囲気を頑張って作っている/三郷温泉 野天湯元・湯快爽快『湯けむり横丁』みさと
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全体的に雰囲気作りをがんばっていて、都会の温泉ながら、きっちり和の雰囲気を前面に押し出している。泉質は関東の方によくある塩分高めの黄色いお湯だが、露天風呂も内風呂もあり、つぼ湯足湯などバリエーションも豊富なのでわりと満足度高め。何故か露天風呂を通らないと温泉の内風呂へ行けないのはよくわからないが、まあ大した問題ではない。
本を読むという行為の多様さについて/ナカムラクニオ『本の世界をめぐる冒険』
基本的には本や読書の歴史を俯瞰する本だが、そこには著者の一貫した思想がある。それは、今ぼくたちが当たり前に思っている紙の本というメディア形式は普遍的なものではなく、時代や地域に応じてさまざまな読書文化があり得るという思想だ。個人的に特におもしろかったのは、発展途上国やロシアだと、本を輸送するためのインフラよりもインターネットのインフラのほうが発達していて、だから電子書籍の利用率が高いという話。いわれてみれば当たり前ではあるのだけど、一応先進国に分類される日本という国で暮らしていると、こういうのは盲点だ。
そしてそのような認識のもと、著者は電子書籍やオーディオブックといったものにも比較的肯定的で、それらは本の多様性の一部として捉えられている。これは、紙の本至上主義の人からすると受け入れがたいだろう。でも、時代や地域が違えば読書というものは全然異なるという認識と比較すると、紙の本至上主義は先進国中心の価値観の上に成立しており、本という概念をひどく狭く定義しているように見えてしまう。
ということで、紙の本至上主義の方々はあまり納得いかないかもしれないが、ぼくは本の多様性を称揚したすごく良い本だと思う。難点を挙げるとすれば、本文の記述のどこがどの参考文献を参照しているのかがわかりづらいことかな(一応巻末に参考文献リストはあるが)。まあゆるいシリーズだししょうがないのかなあ。
頂上戦争を思い出させるワクワク感/大塚隆史「ONE PIECE STAMPEDE」
あとすごくびっくりしたのがゲスト声優の指原莉乃。この手の常としてどうせ下手くそなんだろうなと思っていたが、ほぼ違和感はなく、そこらへんのアイドル声優なんかより全然いい(まあそもそもセリフが少ないのでボロが出にくいというのはあるけれども)。おみそれしました。