ライトノベル

伴名練編『日本SFの臨界点 新城カズマ』解説に『魔界探偵 冥王星O』についての記述がない

日本SFの臨界点 新城カズマ 月を買った御婦人 (ハヤカワ文庫JA)作者:新城 カズマ早川書房Amazon伴名練編のアンソロジーシリーズ『日本SFの臨界点』シリーズは、単純なアンソロジーとしての面白さもさることながら、とんでもなく分厚い解説にも定評がある。…

『おにぎりスタッバー』の大澤めぐみが帰ってきた/大澤めぐみ『Y田A子に世界は難しい』

Y田A子に世界は難しい (光文社文庫)作者:大澤 めぐみ発売日: 2021/02/09メディア: Kindle版『おにぎりスタッバー』での圧倒的饒舌JK文体で鮮烈なデビューを果たした大澤めぐみだが、その後の大澤の小説では、その印象的な文体は鳴りを潜めていた。文体を非常…

ライトノベルも一手間加えれば不条理文学になる/西尾維新『ニンギョウがニンギョウ』

ニンギョウがニンギョウ (講談社ノベルス)作者:西尾維新発売日: 2016/10/14メディア: Kindle版「私には23人の妹がいて~」なんて一見するとただのクソみたいなライトノベルのようだが、文体を少し古めかしくして不条理要素を混ぜ合わせると、一気に不条理文…

最低限はミステリーしてると思う/西尾維新「戯言シリーズ」

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社文庫)作者:西尾維新発売日: 2016/05/06メディア: Kindle版ミステリーじゃない! という評判が多いシリーズではあるが、最終巻を除いて、最低限の核はちゃんとミステリーになっていると思う。ミステリーのお…

9年間おつかれさまでした/渡航『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(14)』

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (14) (ガガガ文庫)作者:航, 渡発売日: 2019/11/19メディア: 文庫まあ正直、大きな驚きもなく、9年前と同じように終わっていった感はある。9年前とほとんど変わらないノリで描かれる一人称の文体は、気がつくとあま…

ゼロ年代キャラクター小説の絞り汁/名倉編『異セカイ系』

異セカイ系 (講談社タイガ) 作者: 名倉編 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2018/08/22 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) を見る まあゼロ年代キャラクター小説の絞り汁みたいな小説で、ちょっとその味の濃さにびっくりしてしまう感じはあり、「ゼ…

行き当たりばったりなシリーズだとようやく気づいた/十文字青『灰と幻想のグリムガル(12)」』

灰と幻想のグリムガル level.12 それはある島と竜を巡る伝説の始まり (オーバーラップ文庫) 作者: 十文字青 出版社/メーカー: オーバーラップ 発売日: 2018/03/25 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (1件) を見る ひっでえなーこれ。行き当たりばった…

凡作を通じて過去の読書体験を葬るということ/江波光則『鳥葬』

鳥葬 -まだ人間じゃない- (ガガガ文庫) 作者: 江波光則,くまおり純 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2013/05/17 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (16件) を見る 個人的に、とてもつらい読書体験だった。

舞城王太郎とネットミームと女子高生成分が混ざった、魔術的なJK空間/大澤めぐみ『おにぎりスタッバー』

おにぎりスタッバー (角川スニーカー文庫) 作者: 大澤めぐみ,U35 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2016/12/28 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (4件) を見る ひゃーーーーー。 舞城王太郎にネットミームと女子高生成分を足したような文体。さすがに…

図書館と電撃文庫

独創短編シリーズ (2) 野崎まど劇場(笑) (電撃文庫) 作者: 野崎まど,森井しづき 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 発売日: 2015/02/10 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (14件) を見る 要約 図書館の本は基本的に透明なブックカバ…

伏線回収よくできました/野崎まど『2』

2 (メディアワークス文庫) 作者: 野崎まど 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス 発売日: 2012/08/25 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 64回 この商品を含むブログ (35件) を見る よーーーーーやく最原シリーズ全部読み終えました。途中、悪い意味…