SF

アクションとしてはそこそこ、アドベンチャーとしては傑作/「スーパーメトロイド」

スーパーメトロイド [WiiUで遊べるスーパーファミコンソフト][オンラインコード]発売日: 2014/10/31メディア: Software Downloadアクションとしてはそこそこ、アドベンチャーとしては傑作という感じで、マップを調べてちょっとずつ範囲を広げていくのがとて…

恐竜を飼うことに重点を置いたクラフトゲー/「ARK: Survival Evolved」

【PS4】ARK: Survival Evolved発売日: 2017/10/26メディア: Video Gameオープンワールドのクラフトゲーではあるんだが、まあ本作の魅力は、恐竜を飼うことにあるでしょう。恐竜を飼うことによって、さまざまな意味で「世界が広がる」感覚は、なかなか他のゲ…

10年代の面白い日本SFを網羅するアンソロジー/大森望、伴名練編『2010年代SF傑作選(1・2)』

2010年代SF傑作選1 (ハヤカワ文庫JA)発売日: 2020/02/06メディア: 文庫2010年代SF傑作選2 (ハヤカワ文庫JA)発売日: 2020/02/06メディア: 文庫10年代の面白い日本SFを網羅しようという気概が感じられる。また、流石に傑作選を謳うだけあり、ある程度制約があ…

ジェネリックまどマギ/「結城友奈は勇者である」

第1話「乙女の真心」発売日: 2017/10/01メディア: Prime Videoまあジェネリックまどマギって感じ。神道っぽいモチーフを使って不穏さを醸し出しているところや、「マブラヴ オルタネイティヴ」みたいな敵の造形はよかった。ただ、話の展開が「まどマギ」に比…

「伝法的異世界」を気軽に(?)味わえる短編集/酉島伝法『オクトローグ』

オクトローグ 酉島伝法作品集成作者:酉島 伝法発売日: 2020/07/02メディア: Kindle版酉島伝法の短編集。短編でも、異形バリバリ造語ゴリゴリな「伝法的異世界」の魅力は遺憾なく発揮されている。『皆勤の徒』を絶賛積読中のぼくからすると、各短編が多くても…

酉島伝法「環刑錮」読書メモ

オクトローグ 酉島伝法作品集成作者:酉島 伝法発売日: 2020/07/02メディア: Kindle版酉島伝法「環刑錮」(『オクトローグ』早川書房、2020年)の読書メモ

ボリュームたっぷりで新鮮なJRPG/「ゼノブレイド」

Xenoblade Definitive Edition(ゼノブレイド ディフィニティブ エディション)-Switch発売日: 2020/05/29メディア: Video Gameなんといっても、JRPGの延長線上にありながら、快適さと新鮮さのある戦闘システムが魅力的(いや10年前のゲームなんだけどさ)。ス…

メタ要素以外に目を向けるとつらい/「One Shot」

store.steampowered.com 「ドキドキ文芸部」や「UNDERTALE」の先駆け的な作品としてそこそこおもしろい。ただまあメタ部分を除くと割と単調なADVなので、そこに目を向けてしまうとつらい。主人公のニコがとてもかわいいので、キャラクターを愛でるような楽し…

『三体』が「傑作」と評価される理由と、それでも『三体』が面白い理由

三体作者:劉 慈欣発売日: 2019/07/04メディア: Kindle版三体Ⅱ 黒暗森林(上)作者:劉 慈欣発売日: 2020/06/18メディア: Kindle版三体Ⅱ 黒暗森林(下)作者:劉 慈欣発売日: 2020/06/18メディア: Kindle版 要約 『三体』は様々な理由から「傑作」という過大評…

人類規模での壮大な足の引っ張り合い/劉慈欣『三体Ⅱ』

三体Ⅱ 黒暗森林(上)作者:劉 慈欣発売日: 2020/06/18メディア: Kindle版三体Ⅱ 黒暗森林(下)作者:劉 慈欣発売日: 2020/06/18メディア: Kindle版ハードカバー2冊使って人類規模での壮大な足の引っ張り合いをするという、あんまり読んだことのないタイプのSF…

連続殺人が許されない世界の特殊設定ミステリー/斜線堂有紀『楽園とは探偵の不在なり』

楽園とは探偵の不在なり作者:斜線堂 有紀発売日: 2020/08/20メディア: Kindle版テッド・チャン「地獄とは神の不在なり」にインスパイアを受けた特殊設定ミステリー。元ネタが偉大なのと、特殊設定が法月綸太郎的な「悩める探偵」の問題意識にうまく接続され…

伴名練の趣味全開のSFアンソロジー/伴名練編『日本SFの臨界点』

日本SFの臨界点[恋愛篇] 死んだ恋人からの手紙 (ハヤカワ文庫JA)発売日: 2020/07/16メディア: Kindle版日本SFの臨界点[怪奇篇] ちまみれ家族 (ハヤカワ文庫JA)発売日: 2020/07/16メディア: Kindle版『恋愛篇』は、わりと読みやすい短編が揃っている…

未完成の小説の続きをAIで執筆した衝撃の長編小説集/木下古栗『サピエンス前戯』

サピエンス前戯 長編小説集作者:木下古栗発売日: 2020/08/26メディア: 単行本『文藝』に「新連載」と称して第1回のみが掲載されていた3作に、それぞれ「その後の展開」を加筆した小説集。それを加筆するにあたって、表題作「サピエンス前戯」の中で「ある程…

舞城ミステリーを上手いことSFに落とし込んだアニメ/「ID:INVADED」

JIGSAWED発売日: 2020/01/13メディア: Prime Videoかなり面白いっすよこれ。舞城王太郎っぽい無茶苦茶なミステリー要素を、上手いことSF設定に落とし込んでいて感心した。家族モノとしても悪くないし。「龍の歯医者」と比較するのもアレだけど、舞城王太郎ら…

伴名練っぽさの詰まった佳作短編/伴名練『全てのアイドルが老いない世界』

全てのアイドルが老いない世界(小説すばる Digital Book)作者:伴名練発売日: 2020/07/17メディア: Kindle版手持ちの駒で器用に短編を一本作り上げた感じかな。百合・吸血鬼・歴史改変と伴名練がよく使っている要素で構成された小説なので、新鮮味は薄い。…

スタニスワフ・レム『虚数』読書メモ

虚数 (文学の冒険シリーズ)作者:スタニスワフ レム発売日: 1998/02/01メディア: 単行本スタニスワフ・レム『虚数』(国書刊行会、1998年)の読書メモ。

ブログが「抜粋」であることに注意/伊藤計劃『伊藤計劃記録(1・2)』

伊藤計劃記録 I (ハヤカワ文庫JA)作者:計劃, 伊藤発売日: 2015/03/20メディア: 新書伊藤計劃記録 Ⅱ (ハヤカワ文庫JA)作者:伊藤 計劃発売日: 2015/09/30メディア: Kindle版伊藤計劃が書いた小説以外の文章を集めたもの。いろいろな雑誌などに書いたエッセイと…

本編よりはだいぶいつもの黒沢清っぽい/黒沢清「予兆 散歩する侵略者」

予兆 散歩する侵略者 劇場版 [DVD]発売日: 2018/03/07メディア: DVD本編「散歩する侵略者」だとだいぶはっちゃけていた黒沢清だが、こちらではだいぶいつもの黒沢清っぽかった。どっちが好みかは人それぞれ。ぼくは、「CURE」レベルでドギツいことやらないん…

伴名練「白萩家食卓眺望」読書メモ

SFマガジン2020年04月号発売日: 2020/02/25メディア: 雑誌小説の最後で、共感覚を後天的に身につけることができるという研究が紹介される。そしてそれを元にして、平太郎は味覚→視覚の共感覚を後天的に身につけたのではないか、という可能性が示唆される。

伊藤計劃『虐殺器官』の痛覚マスキングは著者の実体験が元ネタかも

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)作者:伊藤 計劃発売日: 2012/08/01メディア: Kindle版伊藤計劃のブログを読み漁っているんだけども、意外なところから作品とのつながりが見えるのが面白い。その一つが、伊藤計劃は病気の影響で右足の痛覚が失われたようで、そのせ…

悪ふざけ一歩手前の死体遊びアンソロジー/藤井太洋ほか『屍者たちの帝国』

書き下ろし日本SFコレクション NOVA+ 屍者たちの帝国 NOVA (河出文庫)発売日: 2015/10/30メディア: Kindle版いやーいいわあ。伊藤計劃の小説の特徴の一つに、「悪ふざけ一歩手前で楽しく小説を書く」というのがあるとぼくは思っているんだけど、その…

血と獣の世界と思ったら異世界だった/「BloodBorne」

Bloodborne The Old Hunters Edition 通常版 [PlayStation4]メディア: Video Game初フロムゲーだがめちゃくちゃおもしろい。圧倒的に良かったのは世界観で、おどろおどろしい血と獣の世界から、一気に異世界に突入するという仕掛けはとてもよかった。難易度…

正当に進化したPortalの続編/「Portal2」

store.steampowered.com ああ~これだよこれがPortalだよ、という感じの、非常に安心感のある心地良いプレイができた。いろいろなギミックが追加されてはいるが、自由な発想で壁に穴を開けてパズルを解くという本質は同じ。前作ラスボスとの共闘もアツい。不…

1と2のいいとこ取り/「ピクミン3」

ピクミン3 - Wii U発売日: 2013/07/13メディア: Video Game1の日数制限というシステムが大のお気に入りで、なおかつ2の複数人プレイヤーキャラクターというシステムも好きだったぼくにとって、最高のゲームだった。プレイヤーキャラの自動操作機能によってマ…

自由度の高さこそGRAVITY DAZEの魅力である/「GRAVITY DAZE 2 クロウの帰結」

【PS4】GRAVITY DAZE 2 Best Hits作者:出版社/メーカー: ソニー・インタラクティブエンタテインメント発売日: 2017/12/14メディア: Video Game前作からのストーリーの補完としてはまあいいと思う。また、クロウを操作できるということ自体、ファンとしては嬉…

謎は謎のままで終わってしまった/「PSYCHO-PASS 3」

ライラプスの召命メディア: Prime Videoいやあ消化不良にもほどがあるでしょこれ。これがたとえば24分12話でやったとかなら、アニメというフォーマットの問題もあるし仕方ないと擁護できなくもないが、48分8話という変則的なフォーマットにしておいてこれだ…

信じられないくらい読みやすい/劉慈欣『三体』

三体作者:劉 慈欣出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/07/04メディア: ハードカバー(ベストセラーのくせに)意外にも、アホみたいにスケール広げたバカSF一歩手前の小説といった感じで、けっこう楽しめた。特に後半1/3ぐらいの面白さはホンモノ。ただ、…

敵を撃たなくたってFPSは楽しいです/「Portal」

store.steampowered.com 4時間くらいでサクッと楽しめる、非常に面白いパズルFPSだった。ルール自体はかなりシンプルなんだけど、そのルールをフル活用して非常に凝った謎解きを作ってくれる。スプラ2の「オクト・エキスパンション」に近いかな。SFっぽい背…

当代最高のSF作家の、オーソドックスなSF短編集/テッド・チャン『息吹』

息吹作者:テッド・チャン出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/12/04メディア: 単行本当代最高のSF作家テッド・チャンの、17年ぶりに刊行された第2短編集。オーソドックスなテーマを扱いながら、チャン流の文学的な味付けと情報の圧縮により、大変キレのあ…

ケン・リュウの中国SFの紹介ってだいぶ偏ってたんじゃ……/郝景芳『郝景芳短篇集』

郝景芳短篇集 (エクス・リブリス) 作者: 郝景芳,及川茜 出版社/メーカー: 白水社 発売日: 2019/03/21 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 短編集としてはそこそこといったところ。SFアイデアとしてぎょっとするようなものはあんまりないが、端正な…