アバチュ2ってこういう話だったのね/五代ゆう『クォンタムデビルサーガ アバタールチューナー(4~5)』

アバタールチューナー? (クォンタムデビルサーガ)

アバタールチューナー? (クォンタムデビルサーガ)

 

 ゲームでは「DIGITAL DEVIL SAGA アバタール・チューナー2」に相当する4・5巻。アバチュ2だともろもろのキャラクターの行動原理とかがかなり不透明だったので、これでだいぶ話の理解ができた。もちろん、あくまでこれは原案なので、ゲームとは違うかもしれないが、ゲームじゃ全然説明してくれないので……。

唯一不満だったのはゲイルの扱いについて。サーフを殺されて暴走しちゃうのも、ゲイルというキャラクターの熱さよりは「らしくなさ」を強く感じたし、他のキャラクターがけっこう詳しく裏設定を掘り下げられていたのに、ゲイルだけはほとんど裏設定とか過去話が語られなかったのがかなり残念。

 

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これをゲームにそのまま落とし込むのは難しいよなあ/五代ゆう『クォンタムデビルサーガ アバタールチューナー(3)』

クォンタムデビルサーガ アバタールチューナー? (ハヤカワ文庫JA)

クォンタムデビルサーガ アバタールチューナー? (ハヤカワ文庫JA)

 

 3巻は、ゲームでは必要最低限しか描写されていない現実世界での過去の出来事を、かなり詳しく描いている。一応「That's catch 22」という短編小説がアバチュ1の攻略本に載っており、そこでも同じ部分を描いているらしいが未読。あとで読み比べたいなー。

 

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ジナーナとルーパの扱いがとにかく嬉しい/五代ゆう『クォンタムデビルサーガ アバタールチューナー(1~2)』

クォンタムデビルサーガ アバタールチューナー? (ハヤカワ文庫JA)

クォンタムデビルサーガ アバタールチューナー? (ハヤカワ文庫JA)

 
クォンタムデビルサーガ アバタールチューナー? (ハヤカワ文庫JA)

クォンタムデビルサーガ アバタールチューナー? (ハヤカワ文庫JA)

 

 「DIGITAL DEVIL SAGA アバタール・チューナー」の原案を作った五代ゆうによる、ノベライズというか原作小説というか。後半あたりからは全然別物らしいが、2巻までは原作とそこまでかけ離れたものではない。

 けっこうしんどかったのが、キャラクターのビジュアルが一切見れないこと。もちろんちゃんとした描写はあるのでどういう変身が起こっているのかはわかるが、それはゲームをやったから知っているだけでしかない。変身描写はやはり映像じゃないと難しいというのを実感した。せめて設定資料でもついていればどうにかなったんだが……。

 が、そんなことより、ジナーナとルーパが最後の方まで生きていたのがすごく嬉しかった。とくにジナーナがアルジラと一緒に化粧を楽しむシーンとかは、ゲームでのジナーナの救われなさを思い出しながら本当にグッときた。ゲームでも、せめて2の太陽でぐらいはジナーナとかルーパを味方キャラとして使えれば……と思ってしまった。

 

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圧倒的大ボリュームな重力操作アクションゲーム/「GRAVITY DAZE 2」

 とにかく圧倒的なボリュームに唸らされた。前作のマップの2~3倍はありそうな新マップがある上に、前作マップもほぼ完全に再現。ポケモン金銀カントー地方みたいなガッカリ感のあるマップになっておらず、数十時間プレイしてもマップ「すら」完全には探索できてない感がすごい。

また、大量のサブミッションも充実していた。各システムをふんだんに活かした様々なサブミッションがあり、飽きずに楽しめる。まあ若干理不尽なものもありはするが、そういうのはスルーすればいいし。

 

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進化論的世界観にどっぷり浸かった文明史/ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

 
サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福

サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福

 

 今さらながら読んだ。おもしろかった。と同時に、この本がベストセラーになったのを不思議に思った。この本けっこう難しくない? わりと説明の薄い高学歴ジョークみたいなのがポンポン出てくるので、脳みそをフル回転させないと置いてかれる。こんな本読めるなんてみんなすごいなー。

とくに面白かったのは上巻の先史~古代ぐらいまでの部分で、進化論的世界観に基づいた古代の文明史がこれでもかというくらい繰り広げられている。「虚構」という言葉をだいぶマジックワード気味に使っているところは引っかかるし、下巻に入ってくるとだんだん普通の議論に近づいているような気もするが、まあそれでも面白いです。

 

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