「女性のための」経済学入門ってこういうことか!/オスター『お医者さんは教えてくれない 妊娠・出産の常識ウソ・ホント』

 

お医者さんは教えてくれない 妊娠・出産の常識ウソ・ホント

お医者さんは教えてくれない 妊娠・出産の常識ウソ・ホント

 

 以前山形浩生「『女性のための』ということばを『バカのための』みたいなことばの婉曲表現として使うことがあるけど女性軽視だし困る」みたいなことを書いていた。まったくその通りではあるのだけど、じゃあ「女性のための」っていう言葉はどのように使えばいいのだろうか(あるいは使うべきでないのか)? ということをちょくちょく考えていた。

その答えが、この本を読んでようやくわかった。こういう本を「女性のための」経済学入門っていうのか!

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読書家あるあると百合と/施川ユウキ『バーナード嬢曰く。(1~3)』

 

バーナード嬢曰く。: 1 (REXコミックス)
 

 大昔に1巻だけ読んでいたのを、今さらながら全部読み直してみたんだけど、いつの間にか濃厚な百合になっていてびっくり。まあこの絵でも町田さわこも神林しおりも可愛らしいので、楽しめます。

ぼくは読書家あるあるみたいなのってあんまり好きじゃないので、『バーナード嬢曰く。』のネタのうち半分ぐらいは「あーはいはいわかるわかる」って感じで聞き流しちゃう。そういうネタは施川も手を抜いて書いてるんじゃないかなーって思う。

でもときどき、水嶋ヒロとかさまぁ~ずとか熊嵐とか、異様に熱の入った部分があって、そういうのを読むと、「あっこの人本当に本好きなんだな……!」って共感してしまう。そういうのに触れることができると、読書家の端くれとしてはなんとなくうれしい感じ。

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算数教育も算数教育批判もややこしいしこういう研究もっと増えてくれー/吉田甫『学力低下をどう克服するか』

 

学力低下をどう克服するか―子どもの目線から考える

学力低下をどう克服するか―子どもの目線から考える

 

ここのところずっとポケモンの話していたけど、ようやく平常運転に切り替えます。 

黒木玄のツイート経由でこの本の存在を知ったので読んでみたけど、とてもおもしろかった。と同時に、この本が2003年に刊行されたにもかかわらず未だに黒木とかがツイッターで毎日荒れているのをみると、問題の根深さを感じなくもない。まあ、初等教育の方法論の研究なんて統計的に処理するのも難しいんでしょうが、こういう研究がもっと増えれば現状ももうちょっとマシになるのでは? と思ったり。

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ポケモンの次回作には新しいアローラ地方が登場する

 

 

 「ポケットモンスター サン・ムーン」のストーリーでは、土着的な文化の生む問題点と、その改善としてのポケモンリーグ設立が描かれている。そしてその結末を描くために、ポケモンの次回作には、「新しくなったアローラ地方」が登場すると思われる。

サン・ムーンが発売されてからまだ2週間も経っていないのにもう次回作の話とか気が早すぎるような気もしなくもないですが、まあストーリーの解説もどきも含んでるので許してください。

サン・ムーンの核心にかかわるような話もいっぱい含んでいるのでネタバレ注意。

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土着性をテーマにした意欲作で、テンポの悪ささえなければ……/「ポケットモンスター サン・ムーン」

 

 ようやく殿堂入りしました。ぼくのプレイ中の感想はこれこれこれ

基本的にいいたいことはプレイ中の感想と同じ。大胆にお約束を廃したり、土着性とか田舎とかをテーマにして上手にまとめており、ストーリーとしては短めながらも綺麗に終わっていると思う。その一方で絶望的なまでにテンポが悪いのでやり込む気がちょっと失せる。

なるべく抽象的なことしか書かないようにするけど、ネタバレあるので注意。

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短い/「ポケットモンスター ムーン」③

 

 ウラウラ島まで攻略終了して気づいた! このポケモン、ストーリーめっちゃ短いぞ!

ぼくはポケモン廃人ではなく、わりとストーリーも楽しむ派の人間なので、少々物足りないような気もする。ついでに、処理落ちやらなんやらがあるにも関わらず短く感じるとなると……。

だがその一方で、4つの島に80匹の新ポケモンというボリュームから考えると、このくらいが身の丈にあっているストーリーの長さなのかもしれない。同じくあまり追加ポケモンが多くなかったにも関わらず従来と同じくらいのストーリーの長さを維持しようとした結果極めて冗長になっていたXYと比べると……やっぱこれはこれでありか。