田舎ってそんなにすばらしいですかぁ?/「ポケットモンスター ムーン」②
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- 出版社/メーカー: 任天堂
- 発売日: 2016/11/18
- メディア: Video Game
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アーカラ島まで攻略完了。
続きを読む狭い田舎を旅する新たな冒険/「ポケットモンスター ムーン」①
とりあえずメレメレ島は攻略終了。
ストーリー・設定面でやたら気になったのは、田舎コミュニティの狭さ。主人公がメレメレ島に引っ越してきたことを、島の住人のうち結構な数が知っているの、田舎コミュニティの狭さを端的に表している感じがして、ヒジョーに窮屈な感じ。主人公の家がなぜか町から隔離されているのも、よくよく考えてみると闇が深い……。
そしてびっくりしたのは島の狭さ! ハワイがモデルと聞いたときから、今までに関東やら北海道やらアメリカやらフランスやらをモデルにしてマップ作ってるのにいきなりハワイモデルにしたら、バランス取れないんじゃないの? とか思っていたんだけど、まさかこんなに狭くマップを作ってくるとは! しかしその一方で、小学生ぐらいの年齢である主人公が北海道やらアメリカやら全体を旅するという設定がかなり苦しかったのも事実。かなり小学生にふさわしい「狭い冒険」を成立させてるんじゃないかな? 島巡りという冒険の形式のおかげで、主人公がわりといつでも実家の母親のもとに帰ることができるという点も含め、現実味のある設定を成立させてくれたので、そこはむしろ高評価かも。
ジム戦廃止とかも、ずいぶん思い切ったことしたなーとは思うものの、いざやってみると意外と寂しさなくてびっくり。やはり土着性とか祭礼とか意識してるんでしょうが、そういう部分が田舎っぽさとうまーく噛み合っている感じはする。
新しいポケモンやアローラの姿も、今のところあまり違和感はなくて一安心。ベトベターのアローラの姿が公開されたとき、散々叩かれていた気がするけど、いざ使ってみるとなかなかかわいらしいじゃありませんか。
しかし、そういういいところを一発で台無しにし得る、歴代でも最悪レベルのテンポの悪さが気になる。イベントシーンが多いのと暗転が微妙に長いのと、それから野生ポケモンのマドハンド化が主な原因かな。とにかく細かいところでちょっとずつプレイヤーのモチベーションをさげてしまっているのは残念なところ。
トランプ現象とテッド・チャン
原作が足を引っ張るってどーゆーこと?/及川拓郎「僕は友達が少ない」
面白かった本(2016/10)
10月読んで面白かった本のまとめ。
続きを読む合理性とラブコメのあいだで/海野つなみ『逃げるは恥だが役に立つ(1~8)』
おもしろい! 貧困とか晩婚とかセクシャルマイノリティみたいな妙に重いテーマを絶妙にラブコメに絡ませていて見事。修士卒でも就職難→派遣切り→無職とかもやたら生々しいし、ついでに平匡もみくりもたいしてイケメン/美人でもないので親近感も湧く。
創作物一般において、頭のいいキャラを書くのは難しい。なぜかというと、キャラクターの頭のよさは作者の頭のよさによって縛られるから。でも、『逃げ恥』の場合だとそういう違和感は結構少なかったのでそこも満足。契約結婚とか、ガチで頭のいい人たちのコミュニティでも冗談半分真面目半分で話されてそうなので、そこらへんも妙にリアルだなーと思った。
でもこれ、ドラマだとガッキー主演なのお? ガッキーくらい可愛かったら、修士卒でも余裕で顔採用されそう。市川実日子とかみたいな、可愛いけど絶妙に修士卒感ある人とかのほうがずっとそれっぽそう。星野源は、割りとありな気はするけど……。まあドラマ見てないので偉そうなことは言えませんが。
なお、絵は良く言えばシンプル、悪く言えば下手。ぼくは絵の上手い下手はあんまり作品に対する評価に影響しないほうだと思うけど、それでもちょっと気になったので、気にする人は結構気にすると思う。けどそのおかげで平匡やみくりのビジュアル的な魅力が減ってリアリティが増えてるという側面もあるので、むにゃむにゃ……。
続きを読む政治とブームに翻弄されたラテンアメリカ文壇史/寺尾隆吉『ラテンアメリカ文学入門』
ラテンアメリカ文学入門 - ボルヘス、ガルシア・マルケスから新世代の旗手まで (中公新書)
- 作者: 寺尾隆吉
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2016/10/19
- メディア: 新書
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待望のラテンアメリカ文学の入門書が登場! 日本語で手軽に読めるラテンアメリカ文学の入門書は、今までは木村榮一『ラテンアメリカ十大小説』くらいしかなかったはず。しかも悲しいことにこの本は大した本ではなく、ブックガイドと作家の伝記的な情報にとどまっていた。
著者はコルタサルをはじめとする数多くの翻訳をこなしている上に、ラテンアメリカ文学ブームに踊らされることなく厳しくも冷静な評価を下している(らしい。他の本は未読)寺尾隆吉。その冷静な目線は本書でもちゃんと活かされているので安心。この本がラテンアメリカ文学を語る上でのスタンダードになってくれたらなあ。
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