クラゲ飼いたーい/黒沢清「アカルイミライ」
アカクラゲかわいい!!! なんかもうアカクラゲちゃんが愛らしくて、それだけでかなり満足してしまった。全体的にいつもの黒沢清っぽく、静寂と倦怠感と退廃感がメインなのでものすごく気が滅入るので、アカクラゲだけが癒やし(まさに紅一点!)。
考えるな、感じろ/スピルバーグ「宇宙戦争」
100年以上前に作られた原作にケチつけるのもなんですけど、ストーリーはイマイチ。非常事態とはいえギャーギャー騒ぐレイチェル(ダコタ・ファニング)がうるさかったり、ロビー(ジャスティン・チャットウィン)が決死で特攻しておいてあっさり生還してきたりとか、あと微生物がどうのこうのとか、ご都合主義ガーとツッコめるところはいくらでもある。
でも映像としてのかっこよさは十分。宇宙人による大量虐殺も爽快だし、地下での宇宙人との対決も圧倒的に緊迫感がある。考えなければ考えないほど面白く見れる映画だと思った。
カードゲームである意味は?/「ファンタジスタドール」
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これって女児向けアニメじゃないよね? ひっでーなあこれ。
まずストーリーがそんなに面白くないんだけど、そこはたいして期待していないので別にいい。ついでに後半になってくると、中身のなさをあからさまなカオス展開でごまかせているとは思うので、許せはする。
しかしやたらキャラが多いんだよねー。しかも多いだけ。それで1クールアニメなので、個々のエピソードがひたすら薄まるばかり。かなーりキャラの扱いが雑だとおもうぞ。
そして最大の問題点は、これどこがカードゲームなの? どうみても召喚獣つかってよくわからないバトルを繰り広げているだけなので、カードが云々みたいな設定はまったく伝わらない。「カード部」というコミュニティも、まったく意味をなしていないと思う。一番カードゲームモノっぽかったのがポーカー回だった時点で、脚本のやる気のなさは推して知るべし。
面白いのは(いや面白くないんだけど)、一応このアニメって「カードゲームをしている」設定っぽいんだよね。作中に「この人カードの使い方がうまい!」みたいなセリフがあることからそれはわかる。が、それならちゃんとカードゲーム描写しろや!!!!!
野崎まどで口直し、できるかなあ……。
伏線回収よくできました/野崎まど『2』
よーーーーーやく最原シリーズ全部読み終えました。途中、悪い意味でけっこうひどい作品もあったけど(『パーフェクトフレンド』とか)、ここまでうまくまとめられるのならわざわざ6冊全部読む価値すらあると思う。
続きを読む違法アップロードをめぐる群像劇/ウィット『誰が音楽をタダにした?』
誰が音楽をタダにした? 巨大産業をぶっ潰した男たち (早川書房)
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違法アップロードなどといった、アングラかつ明らかに違法な文化は、なかなかその実態が後世に伝わらない。そういう文化を文化史として伝えようとしたがる人もいなくはないけど(ぼくはニコニコ動画とかを念頭に置いている。ニコニコの文化史とか全然整理されないよねー)、そういう人もたいていは思いつきで動いているので、学問レベルはおろかドキュメンタリーレベルの文章が書かれることすら珍しい。
そういう文脈で考えると、本書は、なかなか触れづらい「違法アップロード」の文化の一旦を調べた、貴重なドキュメンタリーといえる。丹念なインタビューや資料収集に裏付けられている立派な本です。
続きを読む象牙と進化論リテラシー
ガリ勉っていいよね/ろびこ『となりの怪物くん(1~13)』
高校生のとき、ぼくは全然真面目に授業を受けてなかったんだけど、幸いなことにぼくはそこそこ(というか成績だと学年トップレベルで)頭が良かったので、非モテとはいえ楽しい高校生活を送っていたと思う。友達もまあいたし、それなりに部活もがんばってたし、テストや模試ではかなりいい成績をとっていたと思う。
そういう、意外と学生生活が充実していた人間から見ると、ガリ勉の女の子っていうのはどうにも不思議な生物に見える。ぼくのクラスにいたガリ勉ちゃんは休み時間のあいだもずっと教科書を開いていたし、それでいて成績はぼくより悪かった(はずだ)し、大変傲慢ながら、なんでそんなことをしているんだろうとずっと思っていた。ただ今思い返してみると、そういうオブセッションがあったのかなーとか、まあまあ想像できなくもない。
このマンガのヒロイン・水谷さんは、そういうオブセッション持ちの不器用な女の子。そういう子が、ニンゲンシャカイとやらに巻き込まれて不器用ながらもうまく折り合いをつけていく姿は、なんだかんだで大変可愛らしい。というわけで、頭いいけど性格が捻くれに捻くれている高学歴の方とかだとものすごく楽しめるのではないでしょうか。
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