ロックマンエグゼからの突然変異/「流星のロックマン」
エグゼシリーズだけいくつかやっていて、流星シリーズは食わず嫌いしていたんだけど、やってみたらこれがけっこう違和感ない。
まず、エグゼシリーズから大幅に変更された戦闘システムだけど、これが面白くてびっくり。客観視点から主観(っぽい)視点への変更もすぐ慣れる。また、エグゼとは違ってガードが基本動作としてあるので、最初はガード使えばいいだけのヌルゲーになっているんじゃないかと思っていた。しかし、やってみるとなかなかタイミングよくガードができなくて、そこそこバランスは取れているんだなと感じた。対人戦をやろうとすると、また変わってくるのかもしれないけど……。
また、使うカード(エグゼでいうところのチップ)は、エグゼのようなチップコードがなくなった。これによって、エグゼのときのようなカードゲーム的な面白さは減った一方、アクションゲームとしての自由度は上がっているはず。
そしてなによりも、ストーリーの気合いの入れっぷりは素晴らしい。流石に子供向けなのでストーリー展開は容易に先が読めるが、とはいえ十分楽しめるレベルに作り込んではいる。
一方エグゼからの明確な改悪点もそこそこある。依頼が一箇所に集約されていなくてわかりづらい、街と結びついている電波世界(エグゼでいうところの電脳世界)がやや狭い、エグゼのナビカスみたいな戦略的なカスタマイズ要素が薄い、クリア後のボリュームが少ないエトセトラ。
また、ハードがGBAからDSに変わったことによる弊害として、無駄に下画面のタッチを使わせるミニゲームが多く、これが面白くない上に操作性が悪い。WiiやDSのゲームでよくあった、リモコンやタッチを無理やり使わせるという失敗は、ここでも繰り返されている。そのくせ文字入力にはタッチを使わせないとかどーなってんねん。
最後に、このゲームが「絆」をテーマのひとつにしたものであり、システムとしても「ブラザーバンド」を全面に押し出しているのにもかかわらず、NPCとのブラザーバンドが全然組めない!!!! NPCだとブラザーバンドの枠が全部埋まらないのは、ローカル通信を活性化させるため、という言い訳ができるけど、ブラザーバンドをNPCと組むペースがやたら遅いのは、ゲームとしては完全に失敗している(ただし、引きこもりの少年が徐々に他人との絆を深めていく、というストーリーがあるからこそ、ブラザーバンドがなかなか組めなくゲーム的には失敗している、という側面は見過ごすべきではない)。
……エグゼシリーズの話ばっかりになってしまった。まあ、「エグゼから劣化した」以外の欠点はそんなに多いわけではないので、エグゼ未経験者も楽しめると思う。
そして、流星シリーズをやったことがないにもかかわらず、「エグゼ続編希望」とおっしゃってるエグゼファンの方々には、ぜひおすすめしたい。エグゼからの正統進化とはならず、突然変異的ではあるけれども、いうほど違和感ないから十分楽しめるはず。
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あらゆる面で「P4G」の完成度の高さを思い知らされるゲーム/「ペルソナ3」
「ペルソナ4 ザ・ゴールデン」にドハマりしたので、その前作もやってみた。その感想は……うーんなんとも。
まず、ストーリーがいまいち。サブストーリーでもあるコミュニティのストーリーは4とそこまで差があるわけでもないんだけど、メインストーリーが物足りない。同じく途中までは物足りないなと思いながらも、終盤のどんでん返しがきれいにキマっていた4と比べてしまうと、残念感は否めないだろう。もちろん4にはなかった暗さが3のストーリーにはあるけど、もうただ暗いだけで喜ぶような時期は過ぎてしまったし……。登場人物たちの人間関係がやたらギスギスしているのも、それをプレイヤーが登場人物をすべて動かせるタイプのゲームでやられてしまうと、いまいち感情移入できない。
ダンジョンもいまいち。4の場合は、日常パートが面白すぎてダンジョン探索をなかなかやらない、という問題点があるにはあったんだけど、3の場合は日常パートが面白いわりにダンジョン探索にかなりの時間を割く必要があって、しかもそのダンジョン探索が飽きやすい!!!!! 例えていうと、「風来のシレン」みたいなローグライクダンジョンゲームを、戦闘だけRPGの形式で、しかも250階分やる、という感じ。よくもまあこんなダンジョン考えたもんだ。
そしてそれ以上に、細かいところでのシステムに不満。ペルソナ(主人公が持ってるモンスターみたいなやつ)が所持しているスキルの並び順を入れ替えられないだとか、スキルカード(ペルソナに新しいスキルを覚えさせる道具)を増やすのにやたら手間がかかるとか、ペルソナを合体させるときに引き継ぐスキルを選択できない、とか。もちろん言いがかりに近い部分もあるのだけど、それでも「P4G」の便利さを考えるとフラストレーションが積もりに積もる。
悪いゲームじゃないと思うんだけどなあ……。
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プラグマティスト(≠ミニマリスト)が手元に残しておく本
新品中古問わず、まだまだ紙の本を買うことが多いため、必然的に本棚は膨れ上がる。そうなっても普段は問題ないものの、引っ越しをするとなると膨大な蔵書は厄介な荷物と貸す。
本が大好きで自分の本棚が本で溢れかえっているのを人に見せたくて仕方がないタイプの人間であれば、それでも必死にがんばって全部の本をダンボールに詰めるのだろうが、ぼくはかなりプラグマティズムな人間なので(紙の本を買うことが多いのも、そっちのほうが安い、みたいな実用的な理由がある)、膨大な蔵書は単なる贅肉でしかないと思う。ちょうど来年の春から新生活が始まる(予定)というのもあって、最近ガッツリ本棚を整理した。
ところで、巷にはミニマリストが溢れかえっているが、彼らは「本なんて持っててもムダ! むしろ本棚がムダ!」みたいなことを言い出すだろう。お笑い芸人のカズレーザーは、本好きで有名なのにもかかわらず本棚を持っておらず、読み終わった本は適当に部屋に積み上げておいて定期的に売っているそうだ。
もちろんそのような態度が悪いわけではない。ぼくも彼らの姿勢には多少共感するところがある。しかし、本棚を整理していると、「プラグマティスト」と「ミニマリスト」の微妙な違いがなんとなくわかってきた。その微妙なニュアンスの違いを無視して断捨離を押しつけると、ちょっとした摩擦を生むだろう。
ということで、ぼく(プラグマティスト)が本棚を整理するにあたって採用した基準を書き留めておこうと思う。
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面白かったマンガ(2017/10)
10月に読んで面白かったマンガのまとめ。
続きを読む面白かった本(2017/10)
10月に読んで面白かった本のまとめ。
続きを読む気づいたら70時間/「ペルソナ4」
ペルソナ4 ザ・ゴールデン PlayStation (R) Vita the Best - PS Vita
- 出版社/メーカー: アトラス
- 発売日: 2015/02/05
- メディア: Video Game
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女神転生シリーズの作品は初めてだったのだけど、ドハマリしてしまい、気づいたら70時間プレイしてた。いやーおもしろい。
RPGとしては決して難易度は高くないんだけど、ペルソナシステムが独特。いろいろなペルソナを作ってみるのがとても楽しく、どんどんのめり込んでしまう。また、敵の造形もなかなか不気味ですばらしい。
また、ギャルゲーかよと言わんばかりのコミュニティシステムが白眉。このせいで70時間が一瞬に思えるほどハマってしまったといっても過言ではない。
ただ、実はわりと短所も多いゲームのようにも思う。まず序盤2~3時間くらいが実質的に操作ができず、ここが一番プレイしていて苦痛だった。また、ダンジョンも一般的なRPGと比べて少ない上に面白みが少ない。さらに、ダンジョン突入前には情報収集が必要なんだけど、その情報収集に必要なNPCが出現する日としない日があるのでかなりストレス。
とはいえ、そういういろいろな欠点がありつつも、なんだかんだで許せてしまうくらいには面白いということでもあるのだけど。
続きを読む圧倒的なゲーム性があればそれで十分/「メタルギアソリッド」
敵を倒すのが難しいのでひたすら隠れながら進むというゲームデザインになっているんだけど、これが面白い。最初はなかなか進めないのがもどかしいんだけど、慣れてくるとレーダーとにらめっこしつつひたすらぼーーーーっと待っているのが一番楽しくなるという。これはハマるとやみつきになる。また、基本的にリトライがやりやすいので、試行錯誤が保証されているのもポイント高い。
また、無線の通話もとても楽しい。「ロックマンエグゼ」シリーズみたいな感じで謎解きのヒントももらえる。「ロックマンエグゼ」とは違って謎解きがやや難しいので、ヒントがちゃんと出てくるのはとても助かる。また、軍事知識などの無駄話も凝っていてすごい。
欠点としては、操作性にやや難あり。PS1の作品だから仕方がないといえば仕方がないんだけど、「バイオハザード」みたいな固定カメラ切替方式がつらい(これは、ぼくが並行して「スプラトゥーン2」をやっているからというのもあるのだけど)。しかも、このゲームは主人公の戦闘能力が高くないので、操作性の悪さのせいで余計に無駄なダメージが増えるのが辛いところ。このゲームはリメイクもされていない(はず)なので、そういう操作性を修正してくれればいいんだけど……。
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