喪女がモテるためにはタイムスリップをすればいい/佐々木陽子『タイムスリップオタガール(1~3)』
女オタクのノリの良い部分も悪い部分も出てる作品で、読んでて疲れるけど面白い。主人公はとこから女の子のドキドキ感があんまり伝わってこないので少女漫画っぽくないなーとは思うが、その一方ではとこの可愛い面がいっぱい見れるので、男性向けラブコメっぽい楽しみ方はできる。
そんなことより驚いたのは、タイムスリップという設定と喪女少女漫画の相性の良さ。喪女をどうやってモテさせるかというのは少女漫画にとっての永遠の課題の一つだと思うんだけど、中身がある程度成熟した状態ならそりゃーモテるわ、と目からウロコ。喪女がモテる過程の自然さにただただ感動してました。というわけで、喪女のみなさんはモテるためにタイムスリップしましょー(ついでに喪男はモテるために異世界転生しましょーね)。
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面白かった本(2018/12)
12月に読んで面白かった本のまとめ。
続きを読む今年の10冊(2018)
2018年に読んだ、印象に残った本およびその印象のまとめ(小説とノンフィクションをそれぞれ10冊ずつ)。
続きを読むバランスのとれた理想的なFE/「ファイアーエムブレム 新・紋章の謎」
ほどよいバランスでとてもおもしろかったと思う。難易度はそこそこという感じだけど、カジュアルモードがあるので比較的ストレス少なく楽しめる。ストーリーも、かなーり王道であった「暗黒竜と光の剣」からは一転して、かつての味方が敵軍にいたりしてわりと面白い。
重大な欠点としては、キャラクターが多い割に、全体的にマップに参加できるキャラクター数が少なく、しかもマイユニットの存在がただでさえ少ないキャラクター数をさらに圧迫しているところかなあ。あとは、「暗黒竜」と同一のマップが多く、それだけでなくコンセプトもあまり変わっていないマップが多く、新鮮味が若干足りないところとか。
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粒ぞろいの中国SFアンソロジー/ケン・リュウ編『折りたたみ北京』
折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 5036)
- 作者: 郝景芳,ケンリュウ,牧野千穂,中原尚哉,大谷真弓,鳴庭真人,古沢嘉通
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2018/02/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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中国SFって噂には聞くんだけどまったく翻訳がされない分野なので、こういう本が出ること自体がけっこうありがたい。ただ、比較的若手の作家の短編を集めたアンソロジーということなので、粒ぞろいではあるがきれいにまとまった小品ばかり、という問題もある。あと、編者や訳者たちがこれらの小説の普遍性をやたらと主張するのは、言い訳がましさを強く感じる。
そんな中でぶっちぎりに良かったのが劉慈欣「円」。「スケールのデカさ」も中国っぽさの1つだというのを完全に見落としてたので、意外さと納得感を同時に味わえた。『三体』の一部を切り出して短編化したものということで、本編への期待も高まるばかり。夏笳「童童の夏」も、新しい労働の形を見せてくれる、比較的後味の良いラストでわりと好き。
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