味方ユニットを計画的に殺していく珍しいゲーム/「ファイアーエムブレム 新・暗黒竜と光の剣」
ファイアーエムブレム 新・暗黒竜と光の剣[WiiUで遊べる ニンテンドーDSソフト] [オンラインコード]
- 出版社/メーカー: 任天堂
- 発売日: 2016/02/10
- メディア: Software Download
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このゲームのFEとしての最大の特徴はおそらく、味方ユニットをロストしていると、特定の条件で別の仲間が味方に加入することだろう。FEでは伝統的に、ロストを極力回避するようなプレイスタイルが推奨されているだけに、このシステムは相当珍しいものだろう。そういう理由もあってか、このゲームはFEファンからけっこう評判が悪いらしい。
……ただ、つい最近FEをはじめたぼくみたいな人間からすると、上記の欠点はむしろ、ちょっとした魅力にも感じられる。ちゃんと期限内にユニットを減らし、なおかつ通常の攻略に支障をきたさないようにするというのは、 他のFEとはまた違った計画性が求められるので新鮮。
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というか円城塔ってこんなに長編少なかったのね/円城塔『エピローグ』
この壮大な一冊を読んで、真っ先に思い出したのは円城塔のデビュー作『Self-Reference ENGINE』だ。あれも相当な巨編だったが、こちらも負けず劣らずの作品で、仮想の宇宙を舞台に無茶苦茶なSF的戦闘とバカミス一歩手前のミステリーが繰り広げられる。
ただし、円城の長編にありがちな欠点として、その壮大さが必ずしも作品の面白さと単純に相関はしてないという問題はある。話題と話の長さが大きくなっていくにつれて、どこらへんに円城は主眼をおいているのかもだんだんわからなくなっていく。もちろん円城はわざとわかりにくい作品を書くというタイプの(安易な)作家ではないので、5~6回ぐらい読めばどういう話なのかある程度はわかってくると思うが、申し訳ないけどそこまでの時間はとれません。そういう意味でぼくは、どちらかというと「良い夜を持っている」とか「Boy's Surface」みたいなキレッキレの短編のほうが好きではある。
……と思いながらwikipediaとかを見ていて気づいたんだけど、円城塔って全然長編小説書いていないのね。ほかには『Self-Reference ENGINE』『屍者の帝国』『プロローグ』の3つだけ(しかも一つは共作だし)。そう考えると、『エピローグ』はわりと貴重な「円城塔の長編」なのかもしれない。
続きを読むいろいろと大雑把/「ファイアーエムブレム 覚醒」
全体的に大雑把な印象が否めない。特に気になったのはクラスチェンジの自由度がやたらと高いところ。そしてスキルがクラスと紐付いており、そのスキルも優秀なものとそうでないものの差が激しいため、強いキャラを目指そうとするとどうしてもキャラクターが似たり寄ったりになってしまう。ドラクエ6の転職システムが「自由度が高すぎて逆にダメになっている」という評価を受けることがあるけど、それに近いと思う。
あとストーリーも雑な印象。一番気になっているのは、子世代のキャラクターたちがどのように時間移動をしたのかまったくわからないところ。DLCでわかるようになってるのかもしれないけど、いやさすがにそこは本編でやるべきでしょう。物語の核になっている部分を平気で説明しないのはちょっとびっくりした。
面白かったマンガ(2018/11)
11月に読んで面白かったマンガのまとめ。
続きを読むリブートってこんなもんなのかね/「ポケットモンスター Let's Go! イーブイ」
機能の削除っぷりがすさまじくてびっくり。USUMからの機能縮小ならまだしも、ファイアレッド・リーフグリーンどころか赤・緑からできないことが増えてることもあって(釣りとかサファリゾーンとか)、「リブートってこんなもんなの!?」と強く思った。
もちろんリブートということで、追加要素もたくさんある。復活した連れ歩きシステムとかはものすごく凝っていてかなりよかったと思うし、相棒技も本編では不遇なピカチュウ・イーブイを最後まで使えるようになっていてよかった。あとロケット団幹部にアポロが追加されてたりとか。ただその一方で、ライバルがよくわからない人のいいキャラになっていていまいちチャンピオン戦のカタルシスがなかったりとか、ポケモンタワーでゆうれいに捕まると最初まで戻されるとか、わけのわからない追加要素も多い。
一応、本作はポケモンGOから入った人にやりやすいように作られているみたいなので、ぼくみたいに既存のポケモンファンには物足りないことは想定済みだろう。ただ、前述のような要素の追加や削除が、ポケモンGOから入った人にとってありがたいものかというと、それはそれで疑問である。
続きを読むデモ版なのにここまで充実しちゃっていいの?/「DELTARUNE」デモ版
まず戦闘システムは、明らかに「UNDERTALE」より進化している。敵の攻撃をギリギリでよけるとMP(みたいなもの)が回復するというシステムが秀逸で、敵の攻撃のターンがただ避けるだけの場でなく、次の自分のターンに備えるための準備ターンともなっている。ターン制RPGにおける革命だと思う。仲間キャラができたのも、MPを稼いで行動するシステムをより戦略性の高いものにしている。
また、仲間キャラができたのはストーリー的にもよいこと。前作から続く「友情」みたいな主題が、ゲームシステムとより直接的に結びついていてよいと思う。
しかしこれ、こんなデモ版よく出せるなあという感じはある。デモ版といいつつ分量的にはパピルス戦くらいまでのボリュームはあるし。なにより驚いたのは、隠しボスが前作のラスボス(アズゴア・アズリエル)以上に強いっていうところ。しかもこれより強いボスを出す予定みたいだし。いやもちろん心を奪われざるを得ないんですが、でもそんなに充実させちゃっていいの???
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