まあアバチュ2やります/「DIGITAL DEVIL SAGA アバタール・チューナー」

ATLUS BEST COLLECTION DIGITAL DEVIL SAGA ~アバタール・チューナー~

ATLUS BEST COLLECTION DIGITAL DEVIL SAGA ~アバタール・チューナー~

 

 続編ありきのゲームであることを除けば、かなり完成度の高いゲーム。敵を意識的に「食べる」ことによる成長とかも背徳的で面白いし、他のメガテンでは選択式だったスキルが着脱式になっているのも、プレスターンバトルという戦闘システムと噛み合っていていい。けっこう道中の敵が手強くて、ちゃんとスキル整えてないとポンポン死んだり死にかけたりするのもいい具合のバランス。

ストーリーもそれなりに見どころあって面白い。ただまあアバチュ2やらんとなんにもわからないといえばその通りっぽいので、まあアバチュ2やってからまた感想書きます。

 

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第9回Twitter文学賞

異セカイ系 (講談社タイガ)

異セカイ系 (講談社タイガ)

 

 

第9回Twitter文学賞に投票しました。投票したのは名倉編『異セカイ系』(講談社タイガ)およびケン・リュウ編『折りたたみ北京』(早川書房)です。詳しい感想は以下の書評の通り。

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作家カタログとしての側面がほしい/ヤロスラフ・オルシャ・jr編『チェコSF短編小説集』

チェコSF短編小説集 (平凡社ライブラリー)

チェコSF短編小説集 (平凡社ライブラリー)

 

 チェコで書かれたSF短編小説を集めたアンソロジー。正直あまり馴染みのない地域ではあるが、ほどほどの地域性とほどほどの普遍性を兼ね備えた佳作が揃っていてわりと満足。

ただ、この手のアンソロジーが抱える問題として、この本を通じて新しく出会える本が少なすぎる、という問題はある。ぼくはアンソロジーを「作家カタログ」としても使っているんだけど、日本に紹介されていない作家が多すぎて、この本の場合はそういう使い方はできない。これは以前読んだ『折りたたみ北京』とも共通する問題ではあるんだけど、『折りたたみ北京』の場合は現代中国SFの紹介なので、今後どんどん日本に翻訳される可能性はある。一方、この本の場合はかなり広い年代を扱っているにもかかわらずほとんどの作家が翻訳されていないので、今後にもあまり期待できないと思う。

個別の作品で特に印象に残ったのはヤロスラフ・ハシェクオーストリアの税関」。この短編集の中でも一番古い作品で、かなり短い小説にもかかわらず、ものすごい新鮮さを感じた。「古びない」ってこういうことなんだろうねえ。その他、経済SFとして楽しめるヨゼフ・ネスヴァドバ「裏目に出た発明」や、ケネディの人生を下敷きにしためちゃくちゃなバカSFパヴェル・コサチーク「クレー射撃にみたてた月飛行」が好み。

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ミステリーの皮を被ったSF、あるいはSF/法月綸太郎『ノックス・マシン』

ノックス・マシン (角川文庫)

ノックス・マシン (角川文庫)

 

 ミステリー作家の法月綸太郎が書いた短編集。しかし、純粋にミステリーと言えるのは1作のみで、残りの3作はミステリーの皮を被ったSFあるいは単純なSF。短編集としての統一感のなさは若干あるが、それぞれの短編はかなり面白い。ミステリーに多少詳しいほうがいいとは思うけど、まあ特に知らなくてもググればどうにかなるかも。

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