斬新さに頼らない面白さ/「スーパーマリオオデッセイ」
グラフィック以外10年前でも実現できそうなゲームではあるんだけど、それでいてちゃんと面白い。こういう、斬新さに頼らない良いゲームを見せられると、任天堂もあと20年くらいはおもしろいゲーム出し続けてくれるだろうなあと安心する。エンディング自体はかなり早いのでちょっと物足りなさはあるが、その分やりこみ要素はすさまじいのでまあいいか。
SF作家の不在こそがゼロ年代SFの特徴?/冲方丁ほか『ゼロ年代SF傑作選』
一読してめちゃくちゃびっくりしたのが、純粋なSF出身の作家が全然いないことである。秋山瑞人、冲方丁、桜坂洋、新城カズマ、長谷敏司がライトノベル出身で、海猫沢めろんと元長柾木がエロゲライター出身。西島大介はマンガ家。マジで「SF出身」の作家が一人もいないのである。シェアード・ワールド率の高さもその影響だろう。
そしてそれはおそらく、SFの編集者たちがどうにかして90年代のSF氷河期を乗り越えようと頑張っていた時期に、ラノベ作家やエロゲライターにSFを書いてもらっていたことの結果なんだと思う。そういう努力があったからこそ、伊藤計劃や円城塔の発掘を経て、10年代にSF出身のいい作家がたくさん排出されたんだろう。そう思うと、このややいびつなアンソロジーも、あまり悪くはいえない気がしてきた。
収録作品の中でぶっちぎりでよかったのは秋山瑞人「おれはミサイル」。航空機とミサイル以外一切の登場人物がいないという攻めた設定ながら、ちゃんとエモく仕上がっていてよかった。ほかはぶっちゃけあんま印象に残らない作品が多いが、冲方丁「マルドゥック・スクランブル"104"」、元長柾木「デイドリーム、鳥のように」あたりはよかったと思う。
2Dから3Dへの過渡期感がバリバリ伝わってくる/「ポケットモンスターX・Y」
ポケモンの新作が発表され、ポケモン欲がものすごく高くなってしまったので、久しぶりにポケモンYのストーリーを再プレイ。強く思ったのは、DS時代の2Dの世界から、3DSの3D世界へと生まれ変わろうという意欲が伝わってくるということ。3Dオブジェクトがけっこう作り込まれており、3DSの画質なので多少汚いとはいえ、気合入れたんだなーと感じた。新規ポケモンは少ないものの、出現ポケモンの多さ・フェアリータイプの追加・メガシンカの追加のおかげでどうにかごまかせてる気はする。
一方でそれゆえの不便さもある。とくにキツかったのがカメラワーク。SwitchとかPSvitaみたいに右スティック的なものがないので仕方がないといえばそうなんだけど、やっぱり練られてなさは感じた。逆に言うとSMとかではそこらへんもちゃんと気を使ったんだなーと思う。その他、学習装置の仕様変更の影響かレベルデザインが完全に失敗しているなどもあり、やや物足りなさは感じる。
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アバチュ2ってこういう話だったのね/五代ゆう『クォンタムデビルサーガ アバタールチューナー(4~5)』
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ゲームでは「DIGITAL DEVIL SAGA アバタール・チューナー2」に相当する4・5巻。アバチュ2だともろもろのキャラクターの行動原理とかがかなり不透明だったので、これでだいぶ話の理解ができた。もちろん、あくまでこれは原案なので、ゲームとは違うかもしれないが、ゲームじゃ全然説明してくれないので……。
唯一不満だったのはゲイルの扱いについて。サーフを殺されて暴走しちゃうのも、ゲイルというキャラクターの熱さよりは「らしくなさ」を強く感じたし、他のキャラクターがけっこう詳しく裏設定を掘り下げられていたのに、ゲイルだけはほとんど裏設定とか過去話が語られなかったのがかなり残念。
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これをゲームにそのまま落とし込むのは難しいよなあ/五代ゆう『クォンタムデビルサーガ アバタールチューナー(3)』
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3巻は、ゲームでは必要最低限しか描写されていない現実世界での過去の出来事を、かなり詳しく描いている。一応「That's catch 22」という短編小説がアバチュ1の攻略本に載っており、そこでも同じ部分を描いているらしいが未読。あとで読み比べたいなー。
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ジナーナとルーパの扱いがとにかく嬉しい/五代ゆう『クォンタムデビルサーガ アバタールチューナー(1~2)』
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「DIGITAL DEVIL SAGA アバタール・チューナー」の原案を作った五代ゆうによる、ノベライズというか原作小説というか。後半あたりからは全然別物らしいが、2巻までは原作とそこまでかけ離れたものではない。
けっこうしんどかったのが、キャラクターのビジュアルが一切見れないこと。もちろんちゃんとした描写はあるのでどういう変身が起こっているのかはわかるが、それはゲームをやったから知っているだけでしかない。変身描写はやはり映像じゃないと難しいというのを実感した。せめて設定資料でもついていればどうにかなったんだが……。
が、そんなことより、ジナーナとルーパが最後の方まで生きていたのがすごく嬉しかった。とくにジナーナがアルジラと一緒に化粧を楽しむシーンとかは、ゲームでのジナーナの救われなさを思い出しながら本当にグッときた。ゲームでも、せめて2の太陽でぐらいはジナーナとかルーパを味方キャラとして使えれば……と思ってしまった。
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面白かったマンガ(2019/4)
4月に読んで面白かったマンガのまとめ。
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