文化をグラフ化する本なのにグラフが見づらいのどうにかしてくれ/エレツ・エイデン、ジャン=バティースト・ミシェル『カルチャロミクス』

カルチャロミクス;文化をビッグデータで計測する

カルチャロミクス;文化をビッグデータで計測する

 

 膨大な書籍のテキストデータをビッグデータとして扱い、文化をさまざまな方法で定量的に計測するという研究で、人文科学の研究としてとても面白い試み。著者の研究者としての関心がどこにあるかがいまいちわかりづらく、かなり多くの分野をまたいでいるため、多少とっちらかっている感じはする。その一方でそれは、ビッグデータによる文化研究が「万能酸」のごとき強力さを持っていることのあらわれでもあるので、仕方ないといえば仕方ない気も。

ただ、本の内容とはあまり関係ない部分でかなり困ったのがグラフの見づらさ。この本に掲載されているグラフは、白黒なのになぜか線の種類が同じで、色の微妙な濃さの違いでどの線が何を表すかを区別しなければいけない。一応原書(の電子書籍のサンプル)を見てみたところ、そちらでもそうなっていたので、出版社に罪はなさそうではあるが。いやーでもこのグラフ見て著者らや編集者は何も思わなかったの?? ひー勘弁してくれ。

1番最初にやるか1番最後にやるか/「ファイアーエムブレム Echoes」

 いわゆるFEとは全くの別物である。決定的な違いは、武器消費がないこととダンジョンがあること。この2点のために、リソースと経験値配分を常に気にしながらストーリーを進める、というFEの大きな特徴は失われている。

が、それは必ずしも悪いことではない。なぜなら、そのようなFEの特徴は、FE未経験者がFEをプレイする際の壁でもあるからだ。FE未経験者に「FEっぽいゲーム」をやらせたいのであれば、これほど入りやすいゲームはない。

また普通にFEとしてみたときに、2つの軍を動かすシステムはすごくよかったと思う。単純に2つの軍を動かすのがワクワクするというのもあるが、なにより最終ステージ以外でレギュラー落ちが発生しないというのがいい。暗黒竜とゆるーくつながっているのもよい。

というわけで、普通にいいゲーム。ただしFEの良さとは別の良さがあるゲームなので、FEファンがFEを求めてプレイすると肩透かしを食らうだろう。FE未経験者あるいは他のFEを遊びつくした人が、「FEっぽいゲーム」を求めてプレイすると最高に楽しめるはず。

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白石晃士に慣れているとこの映画を100%楽しめないかも/上田慎一郎「カメラを止めるな!」

カメラを止めるな!

カメラを止めるな!

 

 相当よくできた話で、後半30分に関しては文句のつけようがない。ちゃんと笑いを取りつつ最後にはしっかりハートフル要素も入れてくるので、非常に満足しました。一方中盤30分はけっこうキツくて、あまりにもベタすぎてちょっと見るのやめかけた。

そしてわりと意見が分かれそうなのは前半の30分。ぼくは白石晃士の映画を見まくっていて、B(C?)級クソホラー映画にかなり慣れていたため、前半30分もわりと笑いながら楽しめたんだけど、どうも巷の意見を見てみると、前半30分は違和感だらけらしい。まあ映画を楽しくみれたのはいいことではあるんだけど、一方で後半の驚きが半減されてしまい、映画的な狙いをうまく読み取ることができなかったのは残念である。

読んだマンガ(2019/6)

6月に読んだマンガのまとめ。

(面白くなかった本についても感想を書くことが多くなったことに気がついたため、記事のタイトルとカテゴリーを変更しました。過去の記事についてはカテゴリーのみ変更しました)

 

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読んだ本(2019/6)

6月に読んだ本のまとめ。

(面白くなかった本についても感想を書くことが多くなったことに気がついたため、記事のタイトルとカテゴリーを変更しました。過去の記事についてはカテゴリーのみ変更しました)

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程よい難易度の2Dアクション癒やしゲーム/「ヨッシーウールワールド」

ポチと!  ヨッシー ウールワールド - 3DS

ポチと! ヨッシー ウールワールド - 3DS

 

 程よい難易度の2Dアクションゲームで、寝る前とかにやると程よく癒やされた。ステージ自体はそんなに難しくない反面、アイテムなどのコンプリートをするのはかなり難易度高そうなので、残機システムがないこともとくに違和感なかった。1ステージにしか登場しないギミックが多いのだけは若干不満。

 

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小学校のころ運動が苦手だったオタクが鬼ごっこの楽しさを知るゲーム/「Dead by Daylight」

 ホラーテイストとはいえ、鬼ごっこって面白いんだねーと思い、じゃあなんで小学生のころ鬼ごっこを楽しめなかったのかと考えたところで、運動が苦手だったことを思い出し悲しくなった。そんな感じで、鬼ごっこの面白さを教えてくれるゲームである。

ホラー映画の体験として良質で、PvPということもあり、他のホラーゲームよりもかなり没入できるのが魅力。協力も楽しい。ゲームとしてはやや荒っぽくはあり、不満もけっこうでてきてはしまうんですが、それでもなんだかんだで毎日やってしまう中毒性がある。